oxPGx85958 さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
良くも悪くも世相を反映した作品
制作会社のプロダクションアイムズがこの6月に破綻したという理由から、この会社の最後の作品となるであろう本作に手を出してみました。
デフレ下での自宅での飲酒、アルコール依存症、ブラック労働、日本型新卒採用など、現代日本の抱える問題を鋭く抉った社会派作品、ではなく、それらにまったく疑いを差し挟むことなく明るく描いているコンテンポラリーな作品でした。良くも悪くも世相を反映した作品であり、後世の人々にとっては資料的価値があるかもしれません。
まあそういうわけで少々暗澹たる気分にさせられる作品ではありました。
内田真礼によるオープニング曲は良かったです。そういえばプロダクションアイムズの『俺、ツインテールになります。』のオープニング曲もやはり内田真礼でした。久しぶりにこの人が優れた歌手であることを思い出しました。というかスタッフに恵まれている。
それ以外の点では、枠を埋めるための作品という印象が拭えませんでした。特に必然性がない企画をもとに、確立された手順を踏んで作られた量産品という感じ。作画の質は高いし、声優による演技も演出もテンプレートに忠実に、という感じで破綻はない。全体の物語の構成も、ネット上のレビューを見ると、原作の構成に忠実にアニメ化しているということで、手堅い仕事をしている。でも、作品としてはつまらない。アニメ制作会社の最後の仕事としては切ない。