oxPGx85958 さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.5
作画 : 2.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
その熱量を高く評価したい
発表当時は、この手のものにまったく関心がなかった私の耳にもその評判が届いたぐらいに人気を博していました。今回、手を出してみようかと思ったのは、今期放映中の『ラストピリオド』でコラボレーションが行われていて、いまも現役の人気作品なんだと驚いたからです。この手のコラボ企画って、効果がある場合もあるということ。
それで第2期の『解』も含めて数日で見終えました。
とにかく併せて50話にのぼるボリュームの物語を引っ張って行くその熱量は素直に賞賛したい。この熱量は長編の物語にとって一番重要なものであり、本作はその点で十分以上の意義を持っていると思います。
ただ、これはやはりこども向けですね。最近たまたま『Angel Beats!』のことを思い出していたんですが、あれと似て、主要登場人物がこどもであることが物語を制約している感が強い。でも、その制約を感じない人たちがターゲットだ、ということです。
本作の物語は、現実世界の中に主要キャラクターのこどもたちがいる、という感じじゃなくて、こどもたちが作り出した限定された世界の中でこどもたちが動いている、という感じなのです。大人の登場人物も大勢出てきますが、その人たちは大人の論理で動くというよりは、こどもが作り上げたプロット上の役割を果たしているに過ぎない。
そんなわけで、全体的なストーリーは、外部世界との整合性および内部的な整合性の点で弱いと感じました。でも、それを引っ張って行くんだから、やっぱり熱量は凄いんだと思います。
その他の要素は、私は苦手とするタイプの「アニメっぽい」表現でした。私はこういうのに慣れてきていますが、その画風や声優の演技のせいで見続けられなくなる人も少なくないでしょう。私自身、数年前までそうでしたし。
そういう(私にとっては)ネガティブな要素に耐えられ、50話分のストーリーを見続ける体力がある人には勧められる作品ではあります。個別の要素に点を付けると低評価ということになってしまいましたが、それらすべてを上書きしうるポジティブな要素が本作にはあり、その一点において歴史に残る作品となるんじゃないかと思います。