たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
現代の「家族」像はここにない
是枝監督の「万引き家族」を見てきた。カンヌのパルムドールを取ったから見たということもあるが、「誰も知らない」も「海街Diary」も「三度目の殺人」、「そして父になる」は観ている。
監督の是枝さんは一貫したテーマ性を持って作品を作っているようで、それは「擬似家族」だろう。
血縁で縛られるようなまるで市川崑や山田洋次が描く濃厚な「家族」像ではなく、全く無関係の赤の他人同士が「心のつながりだけ」で家族を営むと社会的にどうなるのかを描いている。
まるで一種の思考実験のようであり、是枝監督の全作品共通のテーマであるが、今回は割と一般にもわかりやすくセリフや演出で見せている気がする。
しかし、結婚などの婚姻関係はそもそも赤の他人同士の繋がりなので、この作品を見ると結婚や育児に対しての見方が変わる。
ただ好きあっているとかではなく、その後の人生においてもどう向き合っていくかまでを考えるのが「愛」だろう。
最後までみた僕の感想はそこである。
さて「家族」像の最たるものといえばこの「サザエさん」であるが、核家族化どころか独身者の割合が多くなり、「未婚化」「少子化」の進む現代の日本において「サザエさん」はもはやファンタジーになってしまった。
一家の大黒柱のサラリーマンどころか、「非正規雇用の増加」はもとい、結婚しても「共働き」などで今更、子供を何人も作って育てようと思ったところで夢もまた夢。
この先の日本の行く末は暗い。
お茶の間で日曜に「サザエさん」を見ながら笑える国ではもはやないのである。