Seven_7G3A さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
まさに「あんみつ全部のせ」と「磯辺焼き+力うどん」!
原作既読+44話(1期+2期)までの感想です。
「うーん。良かった。物語の中にずーっと浸っていたい、心地よさのある優しい作品ですね。ただ甘いわけでも、ただ優しいわけでもなく、現実の厳しさや辛さに裏打ちされて出てくる優しさというのか、今ある現実世界の中でこんな優しさに触れてみたいなー、と希望を抱かせてくれる作品でした。3期も期待!」
物語は、大きな目標があるわけでも、単純な日常モノでもなく、人間ドラマが中心になって展開します。将棋を柱としていますが、将棋はそのドラマの舞台装置の一部で、名人や優勝に向けて切磋琢磨したりする事が物語の大筋ではありません。(この点が「ちはやふる!」とは少し違う点でしょうか。) なので、将棋の戦いのシーンでも棋士の背景や人間ドラマの方にスポットが当てられます。
主人公零(レイ)がご褒美に「あんみつ全部のせ」をヒロイン役一家に奢った回で、「甘いもの」と「塩っぱいもの」、「温かいもの」と「冷たいもの」のループでお箸(スプーン?)が止まらない!!!と、ヒロイン役一家が悲鳴をあげていましたが、この物語もまさにその通りで、その人間ドラマの甘辛、温冷の緩急の付け方が絶妙で、ついつい視聴が止まらなくなりました。
個人的には「兄者」が好きですねー。「ぼん」も良いけど。
2期のひなちゃん中心回なのですが、(「聲の形」未視聴の方は見ないように)
{netabare}本当にいじめの展開がリアルで、結末も説得力がありました。被害者は本当に心に傷を持ちます。「聲の形」を見た後に、こちらを観ましたが、「聲の形」の中盤以降の展開で、被害者と加害者が仲良しごっこ集団を作るのだけど、本当にリアリティーがないと改めて感じましたね。それぐらい、被害者と加害者の間には高い壁があると思います。ましてや恋愛感情なんて!「聲の形」作者はたぶん加害者寄りの視点の持ち主なのかな、と、「謝れば許すでしょ?その後、加害者と友達になったり被害者もできるでしょ?」と。でも「3月のライオン」作者は被害者寄りで、「絶対許さない!」と結論付けています。 善悪論ではなく、どっちが加害者・被害者双方の心情描写として現実味があるか?という意味で、断然「3月のライオン」でしたね。僕個人的には。{/netabare}
将棋バトルものを期待していたら、肩透かしを食らうかもしれませんが、「東京下町物語」として観たらとても優秀な作品だと思います。
シャフトの新房監督の演出も流石です。
作画も綺麗で、原作の良い所が活かされていると思いました。
見て損は無いかと思います!