あぱぱ さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
嘘ってズルい
視聴回数 全話5回くらい
最初に感想を書いてしまうのも、なんですが。
この作品はいろんな意味で「ズルい」です。
私は特にクラッシックや演奏者に興味もなく、中学生の恋愛模様に
同情することもないですが、{netabare}主人公を優しく騙してくれる{/netabare}嘘はズルいお話です。
主人公は有馬公生。過去にピアニストとして名を馳せていましたが
ピアノを弾くのを止めてしまった少年です。
ですが、この作品は彼だけが主人公ではなく登場するキャラクターが
ほとんど主人公だと言えます。
以下のネタバレは視聴者済みの方向けの内容です。
{netabare}一番印象に残るキャラクターといえば「宮園かをり」です。
最終回で公生が「かをり」からの手紙を読む場面で、どれだけ公生の
事を想っていたのかが分かってしまうと、二人の出会いが切なくて
嘘をついてまで自分を犠牲にした「かをり」に人の尊さを感じます。
余命がないと知っていながら、好きな人のために道化を演じることは
よほどの気持ちがないと出来ないです。
彼女から公正は「諦めず、立ち止まっても前へ進む」生き方を教えて
貰い、逆に「かをり」も公正から同じ気持ちを貰っています。{/netabare}
この作品が多くの人から認められているのは、キャラクターたちの
「一生懸命にもがく姿」に心撃たれたことが大きな理由だと思います。
「どうして、こんな場面で涙でてるのだろ?」といった気持ちに
させてくれるところも魅力の一つだと感じています。
オープニングとエンディングは後期の「七色シンフォニー」と
「オレンジ」が作品印象「今を生きる」というイメージで
とても気に入っています。
この作品で多くの見所は他のレビュアーさんが書かれているので
あまり書くことはありません。
「誰かのために、自分のために、精一杯がんばってみよう」という勇気を
与えてくれる物語ですので、自分に元気が出せない時に視聴されるのが
効果的だと感じます。
下を見ずに、上を向いて生きて行くための作品です。