木村天祐 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
久しぶりの京アニが帰ってきた作品
作画が強みの京アニにあって、久しぶりの良作ですね。
メイドラゴンも話は良かったんですが、京アニの強みの作画が活かせるキャラデじゃなかったんでそこが残念だと思ってたんですよ。今回のは話もそこそこ良くて、キャラデも活きてる作品でしたね。
話としては、少女兵が戦争が終わった後、社会復帰する話です。と言っても、メインは社会復帰する所よりも、仕事で関わった人との物語がメインですね。戦争中の飼い主の友達に拾われて手紙の代行執筆業の仕事につくんですが、お客様にも色々なエピソードがあるわけで、そこに関わっていくわけです。そこはオムニバス形式でした。良かったです。
あと1/3くらいが主人公の話で、戦争がどうたら元飼い主への愛情がどうたら、オムニバスの話達とは関連性が薄く、正直いらなかったと思うんですよ私。どっちかにして欲しかったですね。はっきり言って規格外の強キャラ設定必要でしたか?いらなかったと思うんです私は。まあ、そこが欠点でしたね。これのせいで尺が足りないのか、人の心を理解できず仕事ができない主人公がいきなり有能になってしまうんです。もうちょっとタメても良かったのでは?養成学校で危うく卒業できないところだったくせに、すぐに王女の代筆なんかやってましたよね?そこは納得しかねました。
音楽は普通かな。作画が良いだけに、世界観を活かせるようにもう少し頑張ってほしかったですね。
声優はそこそこ良い人使ってました。今まで豊崎茅原洲崎、最近では桑原と新人を発掘してきた京アニにしては珍しく、サプライズの無名声優は今回は無しでしたね。名のある人で固めてました。恐らく京アニとしても絶対当たると、社をかけた作品のつもりで万一も外したくなかったんだと思います。人選にガチ感を感じましたね
先程も書きました主人公の話がメインなんですね。始まりも終わりもこれだったんです。私思うに、オムニバスの方をメインにするべきだったと思うんです。1話2話オムニバスにして、おいおい過去のエピソードとして代筆業社に初めてやって来た話をやってた方が自然だったと思います。
こうすることで、「彼女は何者なのか」「何故手紙代行業をやっているのか」「想い人って一体何者なのか」って謎を視聴者に思わせることが出来て、作品に引き込むことが出来たと思うんですよ。それに、視聴者にとってヴァイオレットちゃんは主人公でありヒロイン、下手に始めから想い人を設定することはなかったと思うんです。その想い人退場してますし、自分からアクション起こしませんし。
やたら強キャラのマーダーマシンだった設定も必要なかったですね。人の心を得たならもっと悩むべきですし、死にそうな兵士の手紙代行をうける回があるんですが、そこで感傷的になるなら今までお前がやってきたことは何だよと、完全に我に返りましたね。ご丁寧にその回、少女がマーダーマシンだってこと知ってる兵士出てきましたし。悩んだり、設定を活かせれば話は別だったんですがね・・・。
やっぱりいい作品なだけに、そこは目に付きましたね。残念です。ぜひ他の人にも見ていただいて、ご自分で評価してほしい作品でしたね。オススメです。