ぺー さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
仮想現実だから面白い
2018.06.12記
原作未読/ゲーム未プレイ
TV版1期2期&劇場版でひとまとまり、スピンオフのガンゲイルオンラインや続編も期待されてるなど超のつく人気シリーズです。あにこれの評価も高いですね。
天才プログラマー・茅場晶彦が開発したオンラインゲーム『ソードアート・オンライン』に巻き込まれてしまったプレイヤー達を描いております。
■SAO 1期
アインクラッド編 1話~14話
フェアリィ・ダンス編 15話~25話
■SAOⅡ 2期
ファントム・バレット編 1話~14話
キャリバー編 15話~17話
マザーズ・ロザリオ編 18話~24話
■劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-
全体通してアインクラッド編で提示された世界観や設定を引き継いで物語は進みます。第一話の引き込みが良く、複数話待たなくても楽しめる作りになってるかと思います。
この作品の優れているところは世界観。現実と仮想が密にリンクしているところでしょう。
構築済みのファンタジー世界でというわけでもなく、ある日突然異世界に飛ばされてということでもない。あくまで現実のテクノロジーの延長上にある今からでも手の届きそうな仮想世界での出来事を題材にしてます。
遠くない未来、VRが発展した世界とみれば相応に現実感があるからなのか、劇中に起こっていることが他人事のような気がしません。
ファンタジーでありながら、参加型。究極のロールプレイングゲームをプレイしている気にさせられるでしょう。
だからこそ本作の冒頭に提示された設定{netabare}「ゲーム内で死んじゃうと現実でも死に、そしてクリアしない限りログアウトできない」{/netabare}が視聴中の緊迫感を担保していきます。
視聴者に新たな世界観を示したという意味で傑作に該当する作品と言えます。
~項目別評価~
■物語
アインクラッド編とフェアリィ・ダンス編。メインキャラはそのままで舞台が変わります。
{netabare}アインクラッド編にて仮想世界に現実を見出したお二人。フェアリィ・ダンス編ではホントの現実世界とアインクラッドで見出した現実とのギャップに翻弄されながら、仮想と現実を行ったり来たりしつつのハッピーエンド。構成としては無理なくメッセージ性もありました。{/netabare}
{netabare}リズとシリカのエピソード。後のキリトファミリーを構成するメンバーたちの馴れ初めを描いたということでは意味はあるんですけど、単発感は否めないです。欲を言えばあとあとの伏線になるような話にできなかったものか?ちょっと物足りなかったところです。{/netabare}
■声優
松岡さん、懊悩する演技は良かったですね。最強キャラが苦悩したところでわざとらしく見えるところをそうさせない好演でした。戸松さん、平田さん、竹達さんも印象に残ってます。
{netabare}それと須郷役の子安さんの怪演が個人的にMVPです。ド変態過ぎてR指定したほうがいいくらいではなかろうか。{/netabare}
■キャラ
キリトを取り巻く女性キャラ。アスナと直葉が突出してますね。次点でユイ、サチあたりでしょうか。リズとシリカが若干埋もれてしまい残念。男性キャラは各々キャラの色分けがはっきりしてたと思います。
■作画
魅せ所のバトルシーンは◎。
■音楽
梶浦さん劇伴ということで無条件で満点です。いちいちドラマチックなんですよね(褒め言葉)
AIやバーチャルリアリティの行きつく先とは?ってSFの古典的モチーフであり取扱い作品も多いです。
本作もこれらに分類されると思うのですが、到着点ではなく過程段階を描いてるという点で画期的でした。過程であるが故にこの世界はどこかで手の届きそうな感覚に陥る。そんな感覚を共有できるとドはまりすると思います。
{netabare}余談。フェアリィ・ダンス編を蛇足扱いする意見も散見されますが、仮想オンリーのアインクラッドと行ったり来たりのフェアリィ・ダンスとセットで意味を成すかと。何が現実で何が夢かってやつですね。{/netabare}
それと、AIは感情を持つにいたるのか?ユイの存在は大きいです。
{netabare}「私ずっとお二人に会いたかった。おかしいですよね?そんなこと思えるはずないのに。あたし、ただのプログラムなのに。。。」(涙){/netabare}
半世紀前に手塚治虫が描いた鉄腕アトムの世界の多くは21世紀の今、そこで描かれてる以上の発展を見せ私たちの目の前に立ち現われています。
SAOももしかすると?? 何年かしたらアトムに比肩する作品との評価が定着するかもしれません。
言い過ぎ(笑)
ただ閉じ込められるのは勘弁ですな
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2019.08.31追記
視聴時期:2018年1月
穿った見方かもしれませんが、キリト無双やハーレムといった要素は自分にとってはオマケみたいなもんです。釣りしてるおっちゃんキャラを登場させてるのがリアリティ。
主題歌『Crossing Field』のLiSAさんもドはまり。アリシゼーションまで綿々と曲担当されてるのも納得の名盤です。
2018.06.12 初稿
2018.09.12 配点修正
2019.08.31 追記