あぱぱ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
手紙に幸も不幸も、ありません
視聴回数 全話3回くらい
この手の作品をレビューしてしまいがちなので書いてみました。
死後の人から送られた手紙を、手紙の宛先人へ配達する少女の物語。
物語は短編で語られるパートと、配達人フミカに関わるパートで
構成されています。
フィクションですが、現実で毎日のようにニュースで報じられる
事件などがこの作品と被ってしまいます。
(毎日のように幼児虐待報道を見ると心痛みます)
これから視聴してみようと思われた方は、途中断念も止む終えないので
お気になされずに。私も視聴していて辛い場面ありました。
短編に取り上げれている内容が「いじめ」「家族DV」が多いので、
視聴される人の精神状態や境遇によっては心の影響が大きく負担に
なります。
場合によっては大人や家族への不信感や、隣人に対する疑念、
作成者に対するモラル批判など生みかねないので
危険な作品だと感じています。
なおかつ場面によっては、社会的に理不尽な描写も含まれていますので
真正面から物語を見るアニメではなく、このアニメのような境遇で
「悩んでいる人に対して、どのような接し方をするのがいいのか?」
といった作成者からのメッセージを受け取るのが視聴者の感情的に
プラスになると思えます。
以下のネタバレは視聴済みの方向けです。
{netabare}一番理不尽に感じたのは10話「デアイ」の中で、無職男性が
親戚の子供を連れて外出している場面で、警察から犯罪者扱いされるのは
あまりにも理不尽でした。
6話「サケビ」未放送は、負の連鎖的に心の拠り所もない展開なので
この回を視聴するには、かなり気持ちの強さと「してはいけないこと」
という想いを決めて視聴してほしいです。
(個人的にこの2つは、見ているだけで気持ちが壊れかけました){/netabare}
配達人フミカのエピソードは「なぜ配達人になってしまったか?」という
経緯を知るために用意されています。
SNSや電子テキスト化が主流になっている時代だからこそ、
手紙(手書き)という存在は重要な役割をしていると気づくかせてくれる
作品アピールは素晴らしいです。
亡くなった人が現存する相手へ想いを伝えるという切実さが
物語を色々な視点で感じさせてくれます。
私の気持ちとして、この作品の物語面に対してレビューを書いた
他のレビュアーさんは勇気があると感じています。
(非常にレビューとして表現しづらい内容です)
放映から既に10年経っている作品ですが、相変わらず続いている社会問題に
対して問われるテーマを考えさせられます。
オススメはしませんが、精神状態が健康で社会問題と向き合いたい方は
視聴されてもいいかと思います。