ワドルディ隊員 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
三浦建太郎氏の漫画をアニメ化したダークファンタジー
この作品は、青年漫画雑誌ヤングアニマルで不定期に連載している漫画
ベルセルクを原作としたアニメである。
アニメを通じて、原作を知ったため、原作に関しての
詳しいコメントはできない。
内容についてだが、主人公ガッツが、「鷹の団」
団長グリフィスと出会い、「鷹の団」切り込み隊長として
活躍するものの、ある事件をきっかけにグリフィスと対立する
までの過程を描いた章「黄金時代篇」をベースとしている。
全体を通した感想としては、1990年代の作品の中でも
非常にクオリティの高い作品であった。世界観が素晴らしいのは
勿論の事、作画も相当気合が入っている。
主人公を含む主要メンバーそれぞれに明確な役割が
与えられているのもよい。
私としては、このキャラは不要だと感じたことは
ほとんどなかったように思う。
この作品の魅力を引き出すことに成功している。
ダークファンタジー要素は、間違いなく存在するのだが、
1話、6話、24話、25話以外の回は、戦争アニメとしての側面が強い。
実際に視聴してみて、不安に感じた場面はあったものの、
主人公ガッツの心境の変化を丁寧に描いていたので、
変にだれることはなかった。
時系列は、2話~25話→1話という順番で進んでいくのだが
1話から見ても特に問題はないだろう。
ちなみに、24話と25話で急に作風がガラッと変わるため、
鬱の耐性は付けておいた方がいい。自分は、以前にこれよりもかなり
きつい鬱アニメを見ていたので、なんとか耐えることが出来たが
慣れていないとかなりきついと感じることだろう。
また、流血シーンは勿論の事、グロテスクなシーンも
普通に出てくるのでグロに対する耐性も持ち合わせておくことも重要だ。
一番のネックは、25話のラストが説明不十分なことだろうか。
あの展開から、どうすれば1話に続いていくのかが明らかに
されていないのは致命的だ。まあ、原作を読むための配慮と考えれば
理解はできるが、納得することはできなかった。
せめて、後1話分の尺があればよかったのだが…。非常に勿体ない。
言い換えれば、その部分以外に大きな不満はなかったので
とても惜しい作品だと感じた。
{netabare}
あの終わり方では、流石に納得できないと判断しあの後どういった
展開になったのか調査した。どうやら、ガッツとキャスカは
髑髏の騎士と呼ばれる存在によって、救出されたようだ。
どう考えても、その場面は絶対いるだろ。あの終わり方では、
繋がりが見えてこなかったのは事実だし。
髑髏の騎士もゾッドと同様、ベルセルクの中ではキーマン
としての役割を担っているのは明白だ。やはり登場させるべきだった。
(話数が足りなかったのは、予算の問題なのだろうか。
ここは絶対に必要だと発言した製作スタッフも
いたとは思うが…。解せぬ。)
蝕に出てくるゴットハンドを見ていた際、
私はイギリスのホラー映画「ヘルレイザー」を思い出した。
なんせファンの間でも、ゴッドハンドの姿がセノバイト
にそっくりだったり、ベヘリットはパズルボックスを
基にしたのではと噂されているほど。
ちなみに、ヘルレイザーに出てくるセノバイト、チャタラー
はバイオハザード3の敵キャラネメシスのモデルにもなっているそうだ。
ベルセルクが、ヘルレイザーの影響を受けているのは間違いない。
この作品も、ダークファンタジー要素が非常に強く
ベルセルク以上に、痛々しい場面やグロテスクな描写が
多い。視聴する際、ある程度耐性を持っておく必要があるのは
言うまでもない。
{/netabare}
個人的には名作の域に達しても不思議ではないと感じる程
とても面白かった。
間違いなく良作だと思う。