タック二階堂 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
親方! 地底から女の子が!
かつて、大異変が人類を襲った。そして、時は流れ…。
夜明け直前の`空'を見上げる少年、エイジ。
彼の住むアイガでは、「かつて、多くの罪びとが空に落ちた」と
`空'を忌み嫌う世界であった。
そこに、突然現れた`サカサマの少女'。
彼女は、必死にフェンスにしがみつき、今にも`空'に落ちそうである。
彼女の名まえはパテマ。地下世界から降ってきた。
エイジが彼女を助けようと手を握った時、彼女に引っ張られるように
二人は空へ飛び出した。
恐怖に慄くパテマと、想像を超える体験に驚愕するエイジ。
この奇妙な出会いこそ、封じられた<真逆の世界>の謎を解く、
禁断の事件であった。
その頃、アイガの君主イザムラの元には、「サカサマ人」が
あらわれたとの報告が届く。イザムラは、治安警察のジャクに
捜索を命じるのだった…。
(公式より)
重力の概念がどうなってんだというツッコミは、まあ
この際、置いておきましょう。
『イヴの時間』の監督が手がけた長編劇場版アニメです。
結論から言えば、面白かったですよ。
おそらく、ジブリの初期モノ(ナウシカ、ラピュタ)に
かなり影響を受けていると想像できる世界観や舞台設定。
それにエヴァにも影響を受けているだろう構造物などの描写。
ストーリーはいわゆるボーイ・ミーツ・ガールのファンタジー
ですが、そこに少し近未来感を出してみましたという感じ。
いろいろとキャラは出てきますが、すっきりと削り出すと
主人公・エイジとヒロイン・パテマ(パズーとシータと
思ってください)、敵役のイザムラ(これはムスカですね)、
それに主人公たちを手伝うサカサマ人のポルタと、最後には
味方になるイザムラの部下・ジャク。ストーリー的には
これにエイジの父親とロゴスのアーカイブが絡むという構図。
ただでさえ、設定がごちゃごちゃ分かりにくいので、
キャラの構図をシンプルにしたのは正解です。
ここにエイジの同級生の女子とか絡めると面倒ですからねw
アイガから飛んでった先にあった都市はなんなのよ、とか、
地下世界の底の下(上?)に広がる地上はなんなのよ、とか。
まあ、投げっぱなしなところも含めてジブリっぽいです。
ラストシーンも含めてね。
おそらくはエイジの世界であるアイガが視聴者の世界と思わせ、
ラストで実は地下世界のほうが正しいんですよというどんでん返し
なのでしょう。
ちなみにアイガをひっくり返すとガイア(天をも内包した世界
そのもの)になりますからねw
なので、ジブリファンタジーが好きなら、これも楽しめる
のではないかと思います。
少年が少女を助け、敵役が最後には死んで、ユートピアを
見つけるという、これ以上ない分かりやすさ。
や、皮肉ではないです。こういう爽快感がいいんです。