oxPGx85958 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
実写映画と比べられるステージに入ってからの苦難
原作者の弐瓶勉、制作会社のポリゴン・ピクチュアズ、『少女終末旅行』のインスパイア元など、好みの要素が満載で、冒頭の10分ぐらいは凄いものを見てるという感覚がありました。以下、本作がアニメ作品として凄いものだということは大前提の話です。
この100分近い作品を見終えての感想は「つまらない映画だった」というものでした。大きな物語が語られず、局所的なエピソードだけに焦点を当てている、ということ自体が問題ではないのです。そういうもので面白い映画はたくさんあります。ただ、本作は特に面白くなかったのです。
アニメの技術が本作ぐらいにまで極まってくると、比較対象が実写映画になってくる、と感じました。劇場用映画の長さの作品となるとなおさらです。ポリゴン・ピクチュアズの作品は、そういうステージに入ってしまった。そんな中で『亜人』はたとえばアメリカ製のTVドラマと肩を並べるような完成度だと感じたけれども、この『BLAME!』はハリウッド映画の中に入れると、ストーリー・テリングがうまく行っていない凡庸な作品に見えたわけです。
最近、日本製アニメを見るようになって、この分野での最大の問題はシナリオにある、突き詰めれば脚本家にあると思うようになりました。これはアニメだけの問題ではなく、日本の映画やドラマにも影響を与えている重大な問題なわけです。日本製アニメの技術的進歩により、世界のステージに立つようになると、この点がいままで以上に露わになっていくだろうと思います。