あぱぱ さんの感想・評価
3.7
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 1.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
無声からのメッセージ
視聴回数 10回くらい
Webアニメ動画 検索ワード「チルリ」で動画は視聴できます。
https://www.youtube.com/watch?v=_VK2il0LnOY
川崎健司 監督の作品。
以前からメッセージ性の強い作品として紹介されています。
台詞は一切ありません。
映像のみで、ハンナバーベラの「トム&ジェリー(無声版)」を視聴するのと同じ感覚になります。
(見た本人が想像して、自分で解釈する)
以下ネタバレは視聴済みの方向けに、私の感じた解釈を書きます。
未視聴で開かれても、本作を視聴していないと文面は理解しづらい内容です。
{netabare}純粋な物が汚れた形になってしまった物語。
純粋な物を求めてある町へ訪れた少年が、汚れていない赤いリンゴを配る少女に出会う。
赤いリンゴは「血」をイメージさせていると感じます。
血とは「人が持つ感情や思いやり」
「涙」は異物を洗い流す役目をしています。
少女の純粋な心は淀んだ人と触れたきっかけで汚れてしまい、
少年は純粋な心を得ようとしてもなかなか見つからない。
汚れた水を飲もうと決意した少年は、飲めずに吐いてしまった。
汚れたものを受けいれることが出来なかった描写。
少なくなった純粋な心を多くの人へ配る少女は絶望して瑠璃色の涙を流し、
純粋を求めた少年へ涙で潤すことができて、やり直しができることをイメージしていると感じます。
少年が少女の流す瑠璃色の涙を飲む場面は、相手の傷をなめて癒す動物のような感覚になります。
瑠璃色の涙を流しきった後に、本当の涙が沸いてきた時の救われた気持ちが、人の感情だと思います。
(あの少女の涙する時の口元と笑顔が非常にインパクトありすぎて、ここで毎回もらい泣き)
タイトルの「チルリ」は作品イメージからすると、「血 瑠璃」という意味ではないかと解釈しています。
(血は思いやり、瑠璃は物事から真実を見抜く意味をもっています){/netabare}
映像のみで描写する作品として、キャラクターの表情は感情に刺さってきます。
音楽は暗いイメージですが、作品自体が明るい内容ではないのでやむ終えません。
8分弱の内容です。映像のみで物語を感じてみたい方へオススメします。
人それぞれで感じ方が違うと思いますので、私を含め他の方の感想は、
自身の感じられなかった感情の埋め合わせとして意識されると良いと思います。
(余談)
amazarashiの「あんたへ」PVは川崎健司 監督が手掛けています。
https://www.google.com/search?client=firefox-b-d&sca_esv=824cd7f292a9a46d&q=%E3%81%82%E3%82%93%E3%81%9F%E3%81%B8&tbm=vid&source=lnms&prmd=svinmbtz&sa=X&ved=2ahUKEwjVrcyy2JSFAxXIlK8BHRL0DdIQ0pQJegQIERAB&biw=1440&bih=711&dpr=1#fpstate=ive&vld=cid:07ebd917,vid:gxu4bHKbHII,st:0
気になった方は、こちらもオススメですので視聴されてみてください。
(私としては、こちらのPVが心にぐっときます)
3/27追記
最初にレビューして、レビューが増えていませんでしたので、再レビューします。
改めて、何度も視聴してみました。
人の心は何故こんなに疲弊していくのでしょうか。
現実社会は厳しいです。自分さえも見失ってしまう方は多いと感じます。
人は人に対して、この作品のように「想う気持ち」を大切にするのが人なのかなと、今回も涙しました。
時間の余裕があれば、ご視聴下さい。
様々の方からご意見やレビューを拝見したいです。