01oinaris さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
A slice of school life 大人になると良さがわかるアニメ
18禁ギャルゲー派生TVアニメの(おそらく)先駆けである本作。
ゲームは1997年に、アニメは1999年、全年齢プレステ版の発売を機に、プロモーション的な位置づけで放送。
18禁ギャルゲーがTVアニメ化される…今では当たり前のことだが、これがパイオニアと言うべきだろう。(ただし18禁ギャルゲー派生OVAは既に他作で発売済み)
以下に、かなりどうでもいい当時の時代背景を…
{netabare}
小生が高校生活を謳歌していた当時(1990年代中頃)は、いわゆるギャルゲーがPCからプレステ・Sサターンなど一般ゲーム機でも遊戯できるようになってきた時代。
PCは当時非常に高価 (デスクトップPCが30万円ほど) であり、もちろん誰でも持てる代物ではなく、一家に一台で家族共有。
当然そんな物にギャルゲーなどをインストールした日には…瞬時に親バレ→家族会議→放逐→母泣く…そんな時代。
そんな時代に煌星のごとく現れた、一般ゲーム機遊戯用ギャルゲーたち…
プリメ(プリンセスメーカー)、ときメモ(ときめきメモリアル)、Piaキャロ(Pia♡キャロットへようこそ)等々、次々と発売される、声優ボイス付きの美少女系シミュレーションゲーム。
刺激を欲する非リア充高校生が、つかの間の精神的充足を求め、貯めたお年玉とバイト代を握りしめ、親の目を盗んでこっそりとゲームショップを回った日々…
(…いや、おいらのことじゃないよ。多分…)
そして夜な夜なこっそりとプレイして悦に浸り…そしてまさかの母遭遇&一言
「あんた…何やってんの?気持ちわる…」(そして悲しい目をして去る)
気まずさと恥ずかしさと喪失感…甘酸っぱい青春の日々…
(だから…おいらのことじゃないよ…絶対…)
18禁ギャルゲーというアングラサブカルが、(非リア充限定の)一般男子高校生に浸透し、ようやく社会一般に認知されだした…そんな90年代…
{/netabare}
深夜アニメとはいえ、当然TVアニメである以上、際どいシーンなど皆無。
むしろ、本作ヒロインの魅力を一人ずつ丁寧に描いた、ヒロインのプロモーション的なストーリー。
最後の2話を除き、特に大きな事件が起こるわけでもない。(最後の2話も大事件というほどではないが。)
爆笑ギャグが展開されるわけでもない。
各ヒロインと繰り広げられる、日常の延長線上にある高校生活。
それ以上、なにも足さない。なにも引かない。ありのまま。そのまま。
昔ながらのセル画アニメ。(2000年代初頭までは当たり前のことだが)
まるでサ◯トリーのウィスキーのように、古臭いけど味がある、大人になると良さがわかる、嗜むと心が安らぐ。穏やかな気分になる…
そして思い出す…自分の青春時代を…学生生活を。
志保のルーソク(ルーズソックス)…ギャル系女子高生のスタンダードだったあの時代…
家の各部屋に設置された家庭電話の子器で、長話に耽ったあの日々…
オジさん娯楽の定番だったカラオケが、カラオケBOXの登場で若者の娯楽に変遷したあの頃…
もう時代遅れなのだろうが、浩之は当時の男子のスタンダード。
女心にはニブチン、ぶっきらぼうで無愛想だけど、優しくて正直者。懐かしくて嫌いになれない。
30代後半〜40代前半の男性限定だろうが、懐かしいあの頃を回想して穏やかな気分にさせてくれる、そんなアニメでした。
ただ…こんなに可愛くて出来た幼馴染は居なかった…そこだけは懐かしさ感じられない。
小生にもあかりのような幼馴染がいたらなぁ…人生がもっと輝いていたはず。
(否、リア充化した結果、このアニメを見ることも無かっただろうな…)