P_CUP さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
最終回まで黙ってるつもりだったが・・・
とりあえず1クール終わるまでは何も言うまいと心に決めて視聴していたが
最新話「カストロプ動乱」があまりにもアレだったので言わずにはいられなくなった。
・・・酷い。酷すぎる。
旧作OVAでも、ちょっとどうかと思った部分だったので、カストロプ公一派の衣装が謎ローマ風だったり、アルテミスの首飾りを出して来るのをやめて、原作通りの艦隊戦にした点は評価したい。が、評価できるのはそこだけ。
原作ではカストロプ公マクシミリアンは、純軍事的にはそれなりの才覚を持っており、また、旧作OVAでは、フェザーン経由で入手した、同盟首都星ハイネセンを守る自動防空システム「アルテミスの首飾り」を駆使して、いずれも一度は帝国から派遣された討伐艦隊を殲滅するという展開が描かれている。
そこにキルヒアイスが、前回派遣されたよりも少ない兵力でカストロプ軍に勝利するからこそ、彼の軍事的手腕が示され、ラインハルト陣営のナンバー2として他の提督たちに認められる、という部分に納得感が生じる。
ところが今作では、先に派遣された艦隊が壊滅するくだりを完全にカット。その上、艦隊戦もキルヒアイスが勝利したというより、カストロプ公が勝手に自滅したような塩展開。
あれじゃあロイエンタールかビッテンフェルトあたりが「俺に言わせれば敵が無能すぎただけだ」とか言い出しかねない。
さらに最悪なのが、カストロプ軍を撃破した後。本来ならば帰還したキルヒアイスがラインハルトに「首謀者を死なせてしまいました。申し訳ありません」と謝罪する場面があるのだが、そこをもカットした点。
これがあればこそ、キルヒアイスでは人が良すぎて、綺麗事では済まされない謀略戦などには向かないことが示され、ラインハルトがオーベルシュタインを登用する理由へと繋がる。また、後になって顕在化する、ラインハルトとキルヒアイスの根本的な人間性の違いと、それによって生じる2人の間の溝、さらに、それがもたらす、とある悲劇という、一連の物語の流れにとっても非常に重要な箇所なのだが・・・
どうも今作、Die Neue Theseは、尺の都合もあるのだろうが、登場人物たちの心理や思考というものを軽視しすぎているように思えてならない。