タマランチ会長 さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
完全なタイトル負け
女子高生がどうしても南極に行くとなれば、かなりのハードル高いところでしょう。しかし、高校生のできうる範囲で体当たりで突き進むシラセやキマリは、本当に生き生きしていて、応援したくなりました。強引な展開で都合よいなと思うところは多々ありましたが、それはそれ。南極行きが確定するまでは本当に面白かったのですが。
でも、{netabare} 南極到着まで、困難だったのは船酔い程度、パスポートなくすような間抜けなトラブルあっても行けちゃうんですから、南極チョロいなあと。昭和基地にしても、学食のような食堂、バー、マージャン…「宇宙よりも遠い場所」のはずが、なんとも身近なところなのだなとがっかり。実写映画「南極料理人」なんかは、基地の閉鎖空間での暮らしが伝わってきて、南極を感じたのですが、これはほとんど熱海の合宿所と大差ない感じです。
評価の高い11話、日向の旧友たちとの一件も、過去の過ちを謝罪したかったかもしれない旧友たちを、シラセがしゃしゃり出て遮ってしまったように見えて、それで本当に日向のためになるのか、人を許すという日向の成長を妨げたのではないかと疑問が残ります。親友の一方的な裏切りをあっさり許したキマリとは大違いです。
それでも、12話、シラセの母親のパソコンに未読メールが読み込まれるシーンは号泣ものでした。彼女たちが南極に行こうという根本にあった目的が、こういう形で達成されるのですから、切なくて涙腺崩壊。{/netabare}
途中作画が崩れたり、都合がよい展開がところどころ見られるなど、粗が目立ちます。そしてなにより、「宇宙よりも遠い場所」というキャッチ―で素敵なタイトルなのに、南極が全然生かされていないのは、看板に偽りありというものです。期待を大きく裏切られました。
丁寧に作れば名作になれたかもしれないと思っていただけに、後半なるにつれテンションが下がっていた残念系です。あにこれではクール最高評価ですが、みなさんはそういうところ気にならないのかなあと。
18/09/09追記
他の方のレビューを見て、この作品で感じた違和感を思い出しました。
南極の地に足を踏み入れたシラセの第一声。 {netabare} 「ザマ―ミロ!」…母親を追ってはるばる南極にたどり着いたというのに、その時の第一声が自分をさげずんでいた連中に対する恨みつらみですか…。母親に寄せる思いとか、苦労してたどり着いた感慨とか、そういうのじゃないんですね…。ガガーリンやアームストロング船長が同じ言葉を吐いていたら、全世界が興ざめでしょう。
日向もそう。「自分は南極は何にもないからここに来たんだ!」というセリフとは裏腹に、過去の友人関係を引きずっている。{/netabare}宇宙よりも遠い場所まで来て、浮世のちっちぇえことを持ち込んでいるんだなあとがっかり。
高評価の方は、この辺はスルーしているのでしょうか。私はできませんでした。総合1位という評価は妥当とは到底思えません。