退会済のユーザー さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
体を切開して この痛みを取って
13分弱の作品。(YouTubeで視聴できます)
チーズしか食べられない雄ネズミ、
おめめパッチリの、美しいチーズ、
『脛に傷を負った』雌牛さん、
この3人が、大切な大切な事を教えてくれますよ。
ある日、ネズミ君がいつもの様にチーズを盗む事から、物語は始まります。
いつもと違ったのは…
盗んだチーズのなかに、とても綺麗な美しいチーズが紛れていた事。
彼(ネズミ君)は彼女(美しいチーズ)に一目惚れ。
彼は、美しいチーズを見つめ、トロンとしながら
彼女に優しく話しかけます。
『僕はチーズしか食べられないんだ…』
彼女は言います。
『あなたはチーズしか食べない。それはチーズだけが好きって事…。チーズだけを見ている貴方に食べられるチーズは幸せね。』
この言葉!
美しいチーズちゃんの言葉は、カニバリズムを連想させますね。
愛する人に食べられたい。
(愛する人を食べたい。)
これは
純粋な思い、1つの愛の形だと、私は思います。
一方、ネズミ君は、そう言うチーズちゃんにびっくりして、
『僕は君を食べたりなんかしない!』と言い返します。
これも愛ですね。
愛する人を大切にしたい気持ちはとても優しい。
そんな幸せな時間は続かず、
ネズミ君は自宅を襲撃され、逃亡者となり、
雌牛さんと出会います。
その雌牛さんも逃亡者、悲しい過去の鎖につながれているのです…。
ここから不思議な3人の暮らしが始まるのですが、
逃亡中の身なので、ネズミ君は『食べ物』に困る事に。
美しいチーズちゃんも、少し腐ってしまい、
『お願い、私を食べて』と、ネズミ君に申し出ます。
『愛する人を失って空っぽの心でこの先を生きていく事に耐えられるかわからない。{netabare}今は、お腹は空っぽだけど、心が満たされているんだよ!{/netabare}』
彼は拒否するのですが…
我慢虚しく、彼は彼女を少しだけ食べ、
一人、涙するのです。とても美しく儚い愛。
自分を責めるネズミ君を、慰める雌牛さん。
そして、ネズミ君は雌牛さんのミルクでチーズを作る事を提案します。
『それぞれが、誰かの為に、出来ることをする』
これも忘れがちだけれども、愛の形。『自己犠牲』
はたして、牛さんのミルクから出来たものは…?
チーズ作りを通して
雌牛さんは、自分の存在価値を知ります。
『私の存在は、意味のあるものだった…』
3人は『自己犠牲』から救いの道を見つけるのです。
この作品は
大人にこそ、観て欲しい。
親しい人と、観て欲しい。
大切な人と、観て欲しい。
きっと、何かを感じると、思います。
とてもあたたかい何かを共有できる…はずです!
体を切開して
中身を入れ替えて
それは愛
それは命を救う 外科手術