あぱぱ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
さらなる高みへ
視聴回数 全話5回くらい
「将棋の藤井聡太さん 史上最年少15歳で七段」
このニュースを見て、このレビューを書くには今しかないと感じました。
新たなる翼のテーマは「自分の目指す道」これしかありません。
シーズン1はソラが自分の夢や憧れに対して、自分の持てる情熱を精一杯出し切って突き進むことが目的でした。
この物語では、自分の夢を貫きながら更なる先へ進むために、好敵手や自分自身へ挑戦し「自分の目指す道」を見つける内容になっています。
なぜ藤井棋士のニュースを先に書いたというのは、彼の2018年5月18日までの成績は29戦目まで無敗で、その後12敗しています。公式76勝12敗。
世間では彼のことを「最年少記録の天才棋士」として認識していると思いますが、この「12敗」というのが、シーズン2新たなる翼と重なるように私は思えています。
以下のネタバレは視聴済みの方向けに書いています。
{netabare}これまでは目標のレイラを目指して自分の道を進んできたソラは、レイラの引退後に大きな挫折と敗北を何度も味わいます。
その物語展開を見ていると、「ソラがんばれ!がんばれ!」というような気持ちになった方もいると思います。
「自分の目指す道」へ到達するためには、この挫折が絶対に必要なのです。挫折を味わったことがない達成者はいないはずです。
これは私の主観になります。
本作と藤井棋士との被りを感じたのは、彼もこの12敗の中で挫折や苦悩を感じたか分かりませんが、将棋が大好きだからこの敗北から再び16連勝を勝ち取って、これからも成長し続けているのだと私は感じています。
(彼は根っからの将棋好きなので、本心までは分かりませんが、敗れても楽しんでいるとも感じています){/netabare}
{netabare}キャラクターとしては、シーズン2から登場したレオンとメイ。このキャラクターたちはソラにとって大きな飛躍をする要因を与えてくれるメインキャストたちです。
ソラが求める「争いのない舞台」を目指すために、重要な役割を演じてくれます。
作中では悪役に思える彼らですが、彼らには彼らなりの目指す道があって、ただそれがソラの気持ちを成長させるための鍵になっています。
他にシーズン1では悪役を演じたユーリや、ソラとは切っても切れない存在のレイラ。彼らも新しい姿でソラの目指す道へ影響を与えてくれています。
レオンとソラ、ユーリとレイラの「天使の技」の場面はインパクトありすぎて、なんと表現していいのか分からないですが、とても素晴らしいです。
なんか見る人の感情だけが反応して、意味も分からず涙を流しているような、心を洗われる気持ちになります。{/netabare}
この作品は全話通して見ても、感じさせられる内容が多すぎてレビューだけで表現しきれません。(もっともっと書きたいことはあります)
全体を通して視聴するオススメポイントは、
「大小関係なく目標を決めて進んでいけば、苦難が待ち構えていても、努力して挫折を乗り越え、目指す道に近づくことができる」
ソラは芸の道が描かれていましたが、現実の視聴者自身が思い描いてるどのような道でも同じです。視聴者自身とソラを照らし合わせられると思います。
この作品を視聴されて、立ち止まっている方も自分との闘いを挑んで「よし!やってみよう!みよう!」と感じてもらえることを願っています。
私はそういう時に、この作品を視聴しています。
(余談)
この作品はシリアスな場面で、突如ウケ狙いのシーンが混じってきます。
私が好きなシーンは47話レオンの「空気イス」、50話カロスの「靴下」などがお気に入りです。ぜひ、見ていない方は見てほしいです。何度見ても笑えます。
個人的に好きなキャラクターは「ロゼッタ」です。
自分の得意分野でなく新しい分野へ意欲的に挑戦したいという熱意。
特にシーズン2のどの場面でも常にハンドグリップを握って自己鍛錬している姿。
自分に厳しい妹キャラというのが、すごく気に入っています。
次の世代の物語「未来への翼」が未完になっているので、続きが非常に気になっているのですが、永遠の未完のままで終わりそうなので残念です。