reath さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
1クールを非常に上手にまとめた名作
アニメの脚本、構成、演出、キャラクター、それぞれがそれぞれが最上位にまとめられており、まさに1クールアニメではこういう風にまとめれば完璧!ということを成し遂げたアニメだと感じました。
原作つきではなくオリジナルアニメだからこその構成だと思いますが、非常にきれいにまとまっています。
毎話毎話、どこかに盛り上がりどころがあり、キャラクターもギャップあり単調ではなく、しっかり生きてそこに存在している感が強まります。
本来はありえなさそうなシナリオ展開も、キャラクターの性格や行動によって説得力を持たせており、この子ならこんな事してもおかしくない。というのがよく出ています。
題材としては、何か青春をしたい女の子が、南極にどうしても行きたい女の子と出会い、仲間を増やしていき南極を目指すという王道ストーリーです。
ただ、王道だからこその分かりやすさもあり、南極を目指す動機付けから、そこにいたるまでの過程、そのための強引な手段、実際に南極にいく大変さ、そして南極についてからの体験。そこからの感動的な物語。すべてが13話という枠の中に綺麗に収まってます。
これほど綺麗に枠に収めて、毎回楽しませてくれる完成度を誇るアニメはなかなかないでしょう。
強いて言えば1話でのつかみがやや弱いことが、難点としてあげられますが、2話まで見た人ならそこからのワクワク感に心をつかまれ、3話でこの作品を見続けたいと思うことでしょう。
南極に向かうという題材的な弱さと、どことなくキャッチーではないキャラデザ、素材は決していいとは言えないものを、構成と演出で見事にまとめており、うまいアニメとはこういうものなのかと気づかせてくれるアニメです。
逆に言えば、予算のかかった期待作ではこういうアニメは作れないのではというのも同時に感じてしまうことがあります。
最初から期待してみると、そこまでの内容ではないのは確かですし。
うまいのは構成と演出であり、やはりそれ以外は平凡な部分であるため、まず企画として成立しないでしょう。
まどまぎなどでもそうですが、大概名作というのはそこまで縛りのない自由なつくりができないと生み出せない気がします。
予算がかかるようなアニメや、宣伝的なアニメではこういう作りは出来ないでしょう。
視聴者を引き留めるために用意された見せ場を中心に構成しただけのアニメとか、1話切りされないように、1話でめぼしい要素を見せ切ってしまうようなアニメではこういうことは不可能ですからね。
そういう意味でも本当に奇跡的な作品だと思います。
2018年を代表するアニメの一つになったと自分も太鼓判を押したいと思います!