reath さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
自分が初めて量子力学について触れた作品になった。
かなり前に見ましたが、自分が量子力学というものを知るきっかけになった作品です。
彼女を奪いに来たのはもう一人のボクだった。というキャッチコピーに惹かれて見てドはまりした作品でした。
舞台は北海道函館。小学生の少女を中心にクラスメイト達や、{netabare} 自分を攫いに来た、別世界の幼馴染と行動し{/netabare}、不思議な体験をしていく物語になります。
この世界観は量子力学を元に構成されたストーリーで、量子力学や多次元世界というものを分かりやすい形で見せてくれる作品です。
後にシュタインズ・ゲートなどで世界線という言葉で世間に浸透することになりますが、今までタイムスリップや繰り返しを単なる同一時間の巻き戻しと捉えられていたものが、別の可能性の世界へ移動するという概念で現在の物理学における仮説を用いている点で、近代科学的なSF作品になっています。
この作品は2006年放送ということで、シュタインズ・ゲートよりも早い段階で量子力学というものに触れることができた作品で、自分の中ではとても大きい存在でした。
世界は様々な可能性があり、観測されて初めてその世界は存在していると認識出来ること。
量子力学では物質の最小単位である素粒子は、人が観測したか否かで結果に変化をもたらしてしまう奇妙なものです。
有名な2重スリットの実験で、粒子は本来点模様として現れるはずが、物質を極限まで分解した最小単位である素粒子では、波模様で現れた。
この結果に疑問を持ち、なぜそうなるか、過程を観察し始めると、今度は点模様として現れるというものがあります。
人が観測したか否かで結果が変わってしまう。それが物質の最小単位である素粒子の世界なのです。
ノエインという作品はこの、観測することで世界が固着し安定化することを題材にした作品で、{netabare} 主人公でありヒロインの女の子は世界を観測することでその世界が認められて世界として存在できるものになります。
竜のトルクと呼ばれる主人公の女の子は、様々な可能性の世界を通して過去や未来様々なものを目撃し、別世界から自分を狙う人たちから逃れながらも別世界の幼馴染に守られて、はたまた別世界のクラスメイト達とのやり取りもあったりと、{/netabare}ヒューマンドラマを中心に展開していきます。
本編では、量子力学についての詳しい説明はあまりありませんが、枝分かれした未来の世界が量子力学をもとに描かれているので、量子力学がどういうものかを分かりやすくとらえることができる作品だと思います。
シナリオもいいですし、登場人物が小学生の友達同士だからゆえの色々な思いが混じり込んだ作品としてもとてもいい感じでした。
こじんてきにはとても思い出深く残っている作品で、主題歌の「Idea」が自分の好きなCLANNADの「メグメル」や「小さな手のひら」のeufoniusということもありこの作品はかなり好きになってしまいましたね。
いい作品なので見たことがない人にはぜひおすすめしたいと思います。