たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
かぐや姫の「罪」とは「同じ過ちを繰り返していること」
故高畑勲の遺作 原作は日本の古記「源氏物語」。
作画はほぼ鉛筆画と水彩絵具の色調でアニメ化するのが超絶困難なので制作に8年以上かかったのはうなずけます。
こういった作品は感動を売りにすることが多いですが、そういうことではなく演出は非常に平坦で淡々と進むので、ラストは日本人なら誰でも知っているのでしょうがあっけにとられます。
キャッチコピーの「罪」と「罰」というのは、主人公の姫の「傲慢さ」と「美しさ」でしょう。
姫がこの世ならざるくらい美しすぎるので、完璧であるがゆえ「穢れたもの」を毛嫌いし、他人を寄せ付けず姫が傲慢になってゆく様が実は痛々しく描かれていて、「フェミニズム映画」だと誤解されがちですが、実は一人のファムファタール(男を破滅させる魔性の女)に周囲が冷静さを保てずに破滅してゆく物語なのです。
あるものは財を全て失い。あるものは大怪我をし、あるものは死んでしまう。たった一人の姫に翻弄され人生を狂わされてゆく人々の話なのです。
しかも、姫はそのことに全く自覚がない。実は女性に対しての批判の眼差しでもあります。そういう女性いますよね。。。。
その「罪」を実は月へ戻っても永遠に繰り返しているのです。「羽衣伝説」の天女然り、かぐや姫然り、そしてラストに浮かぶ捨丸と姫の。。。。