「恋するネズミ(Webアニメ)」

総合得点
61.5
感想・評価
20
棚に入れた
50
ランキング
5378
★★★★☆ 3.6 (20)
物語
3.9
作画
3.6
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.8

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ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2
物語 : 3.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

自己犠牲をテーマとした短編アニメ

この短編アニメは、ひだかしんさく氏が手掛けた作品の一つである。
ちなみに、この短編アニメの音声は日本語
ではなく、なぜか英語になっている。英語にした理由は
よく分からないが、恐らく作品の雰囲気を盛り上げるため
の要素ではないかと思われる。
話が分かるように、下に日本語字幕がついてきているので
その点は心配しなくていい。

おおまかなあらすじとしてはこんな感じ。
チーズを愛するあまり、チーズ以外の食べ物を受け入れられなくなった
ネズミが主人公。盗人でもあったネズミは、何度もチーズ工場に
侵入することを繰り返しては、盗んだチーズを壁に飾るという
日常を送っていた。
そんなある日、穴が開いていないとても美しいチーズ(なぜか意識
を持っており、会話をすることが可能)と出会ったことで、彼の人生が
大きく変わることに。

全体を通した感想としては、設定が奇妙ではあるが
とても温かみのある作品だと感じた。心がほっこりした。

まず、良かったところから。
ネズミが美しすぎるチーズと出会ったことにより、心に変化が
起きていくシーンだ。愛とは何かを考えさせられた。

また、ネズミを助けた牛との会話を通じ、美しすぎるチーズは
一体どこから生み出されたものかが、分かるようになっているので
なぜチーズに魂が宿っているかの説明はされているように感じた。
(それでもかなり不自然な現象ではあるが。
もしや、世にも奇妙な物語のオマージュでは?)

一番良いと思った所は、ネズミを助けた牛から出されるミルクが
チーズではなく実はバター向きであったと発覚する場面。
これには驚かされた。まさか発酵していない食品、バターを
持ち出すとは思わなかったからだ。自分なら、あえてヨーグルトを
提案するのだが。まあ、外見重視ならバターの方が自然に見えるため
それで正解だったと言える。

次は気になった点を。
何回も書いているのもあれだが、やはり食品と動物に置き換えた
ラブストーリーというのは中々受け入れにくいものがある。

終盤あたりになって、空腹に耐えられなくなったネズミが
「私を食べて」と促した美しいチーズを少しだけかじるという
場面があるのだが、何とも奇妙な光景ではある。まあ、それでも
空腹という過酷な状況に置かれているので、納得はいく。

その次が問題なのだ。なぜか、チーズを少しかじった際、ネズミ
を助けた、牛のミルクで作り出されたチーズもどきを
かじり痕に突っ込んでいくのだ。
愛のためとはいえ、チーズを余計腐らせているようにしか見えない。

そして、一番奇妙なのは、美しいチーズとチーズもどき(バター)が
融合し、肉体そのものがバターへと変化してしまうという現象。
しかも外見は全く変わっていないし、バターに宿った魂はそのまま。
うーん。ご都合主義に感じてしまったとはいえ、かなり不思議だなあ。
これが本当の、世にも奇妙な物語だという作者からのメッセージなのか。
それなら納得だ。

これは個人的な憶測なのだが、作者あるいは作者の知人が
ビーガンであることを元に作った作品なのではないかと推察した。
これと似た単語に、ベジタリアンというものがあるが実際には
全く異なるものだ。簡単にではあるが、二つの違いに
ついて書いていこうと思う。

ビーガンは、卵や乳製品を含む、動物性食品を一切口に
しない「完全菜食主義者」のことだ。
肉や魚は勿論の事、昆虫や蜂蜜も食べないのだ。一切。
ビーガンを実践できるような環境が周りにあれば
特に問題ないだろうが、今の日本でそれを行おうとすると確実に
ストレスに苛まれることになるだろう。当然、実践者の周りの
人物に悪影響を及ぼすことは間違いないので、日本では実践しないほうが
得策といえる。仮にそういった人物が私の近くにいた場合、食事に誘う
頻度は確実に減るだろう。ただでさえストレスが多い現代社会なのに
わざわざストレス源を増やしても何のメリットもない。

ベジタリアンは、様々なタイプの菜食主義者の総称を指す。
卵を食べるという卵菜食者もいれば、乳製品なら受け付けられる乳菜食者
あるいは、卵と乳製品両方可能な乳卵菜食もいるという訳だ。
当然のことながら、動物の肉は食べないが魚介類は食べるとか、
天然物なら良いが、加工品は一切駄目というケースもある。
私も勘違いしていたのだが、野菜しか食べられないからベジタリアン
だと解釈してはならないのだ。それは、ベジタリアンではなく
ビーガンである。

かなり設定が奇妙な話だと感じたものの、見てよかったと素直に
思える作品だった。個人的には、自己犠牲について学ぶには
かなりお勧めしやすい部類の作品だと考えている。
但し、捻りが少ないように感じたので内容重視の方は
無理してみる必要はないだろう。

※とある方から助言(?)らしきものを頂いたので
一部変更しました。ありがとうございます。

投稿 : 2018/05/20
閲覧 : 425
サンキュー:

8

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