ざすたす さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
"肉体は人類の進化を停滞させている"という思想
タイトルの通り、この作品は単なるアニメ作品ではなく、一つの思想であり表現描写の集合体です。
私は世代的にこの作品をリアルタイムで見ていた世代ではないですが、この作品が世にでた当時は「悪趣味系」だとか呼ばれるものが一大ブームになっていたり、「ノストラダムスの大予言」があったりと不景気の将来的不安やインターネットの登場、等々、混沌とした時代だったのでしょうか。非常にダークな時代に感じます。
そんな数ある悪趣味な作品のうちの一つ。
当時はスマホどころかガラケーすら無かった筈ですが、小型の電子機器を携帯し連絡を取り合う描写はまるで未来予知のようです。
今ではコンプラ的に表現不可能な描写も存在し中々過激な作品です。
何事もリアルで人間が現実的に醜悪に描かれているし、主人公・玲音はそんな人間に対して極めて俯瞰的。
援助交際、それに伴って男女関係や精神的倒錯も一つの要素となって絡んできます。
正直、答えや明確な考察等も未だ存在していません。
{netabare}
玲音はワイヤードというソフトウェアなのではないか
だとか
ワイヤードの方が上位階層であり、現実はそのワイヤードの管理下に存在するのではないか
だとか
{/netabare}
様々な観点から考察できる作品だと思います。
一応起承転結はしっかりと存在しているので、全てが不可解という訳ではありませんが、明確な作中内解説や答えを求める方にはオススメできないかもしれません。
この作品は全てを理解できるようには作られていないし、もし仮に理解したとしたらその時には精神が壊れていると思いますww
そんな危険で刺激的な作品です。確実に唯一無二の作品ではあります。この作品にしか存在し得ない魅力があります。
変わった方にはきっとドンピシャだと思います。オススメはできませんが、私の中では大いなる名作です。