disaruto さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

マイナスイオンの具現化

【概要】
C-Station制作、全12話。
富士山を見に行くために一人、自転車で富士山麓まで自転車で来ていた各務原なでしこ。
その際日没まで居眠りしてしまい困窮していたところ、ソロキャンパーの志摩リンに助けられる。
彼女との出会いをきっかけに、なでしこはキャンプの魅力に気づくことになる。



【感想】
原作既読です。
割と流行っている、可愛い女の子＋趣味の魅力を伝えます系の作品。
アウトドア豆知識も入れつつ、その他革新的な要素もあった、出来の良いアニメでした。


LINEのようなSNSを用いてやりとりしている点。
他愛もないやりとりをしたり、写真を送り合ったり。
現代では当たり前の光景ですが、これを話の中心に持ってきた作品、私は初めて見ました。

基本的に全員が一緒にいることはないけれども、SNSで繋がっている。
私は束縛されるSNSとか大嫌いですけど、こういう関係はステキだと思います。

この手の作品は、なんやかんやでみんなで行動すること多いじゃいないですか？
本作は安易にそうはさせないという、強い意志を感じます。
また、そこにはキャラ同士の「相手への敬意」が読み取れるのです。

「この人はこういう人だな」「この人はこういう風にキャンプを楽しむのだな」
踏み込むけれども、踏み荒らさない。
そういう距離感が抜群でしたね。
不快感を覚えさせないという点が、本作を高度な癒し系アニメに昇華していると思います。
ツッコみの入れ方もダウナー系ですし。
ゴテゴテしたキャラ付けをしてない所も、これに寄与していますよね。


あとリンの心の一言「私、こいつ苦手なんだよな」
千明に対してですが、きららアニメでこんな発言を聞くとは思わないよねw
苦手だけれども、嫌いではないからね。
そこ大事。



【考察】
{netabare}○進化系モテ女子“各務原なでしこ”の魅力
アホっぽいけど、アホじゃない。
天然だけど、バカじゃない。
元気いっぱいだけど、空気が読める。
人懐っこいけど、行き過ぎない。
食いしん坊だけど、料理上手。

ちょっと前の萌えアニメって、キャラの強さをウリにしている作品が多かった気がしません？
濃いキャラ同士の掛け合いを楽しむ、みたいな。
最近は時代の風潮なのか、癒し系の日常アニメが好まれているように思います。
「のんのんびより」とかその最たるもので、実際スマッシュヒットしましたし。

その風潮を汲んだうえでの本作品。
ほどほどに友好的な雰囲気があり、かつノンストレスで視聴できる。
その中心にいるのは主人公のなでしこですね。
距離感の話をしましたけれど、ベタベタ人にくっつく描写や話に割って入る描写が少ない。
彼女自身はパーソナルスペース狭そうですけれど、他人の領域は荒らさない。
この手の作品にありそうな、頭おかＣ系のキャラでもないw
私は非常に好感を覚えましたね。
彼女力が高すぎるんだよなぁ・・・

多分ですけれど、なでリンともに、男女どちらにもウケが良いんじゃないかな？
服装の感じとか、変に媚びたりしてないところとか。
不快感がでないというのは、恐らくそういうことだと思うのです。
なでリンの相互補完による強化は、もはや言うまでもない・・・{/netabare}



【蛇足】
{netabare}いつも通り、百合豚感想書きますね。
なでリン尊すぎません？
本作は百合というより友情が強く出ていると思いますが、ちょっと待てよと。
ツッコみの優しさもさることながら、なでしこを温かく見守るまなざし。
これ彼氏でしょ？（脳内妄想）
3話の名前呼びとか、四尾連湖の感じとか、最終話のやりとりとかさぁ、尊死レベルでしたねぇ・・・
この二人は、お互いを好き好きなのが伝わってくるよね、いい・・・
リンだけでなく、なでしこもリンを特別視しているのが超ポイント高いよね・・・
CV花守ゆみり・東山奈央の破壊力を知った冬でした。{/netabare}