「ヴァイオレット・エヴァーガーデン(TVアニメ動画)」

総合得点
94.3
感想・評価
2564
棚に入れた
10460
ランキング
6
★★★★★ 4.2 (2564)
物語
4.1
作画
4.5
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

【ヴァイオレットちゃん】私な_んで_泣いてるんだろ_う_心にな_んて_答えたらいい?【エヴァーガーデンちゃん】

大戦後のヨーロッパを思わせる世界感を舞台に、兵隊としての教育以外受けていないせいで感情表現希薄な少女、ヴァイオレット・エヴァーガーデンが戦後の職として紹介された「自動手記人形(ドール)」と呼ばれる代書屋の任をこなしていくうちに感情を育んでいく全13話


ジャパニメーション黄金期のOVAを彷彿とさせるかのような線の多いキャラデザ
メタリックに輝く義手の光沢やCGで描かれるタイプライターと画面全体の調和
毎話違う土地が舞台となるということで自然、街、共に細かく移り変わっていくも全世界の絶景を切り取って作られたかのような美麗背景
兎角、石立太一監督らしい画作りへの拘りに溢れた作品です


それらもさることながら、兎角それに負けじと美しいストーリーが展開されるのが本作最大の魅力
基本的に1話完結
プロットは無表情で無感情なヴァイオレットが淡々と代書屋の仕事をこなす中で、彼女に仕事を依頼した人物達が彼女のあまりに実直なものの見方に思わず心を開いていき、またそれら“人間の本音”に触れたヴァイオレット自身が感情を芽生えさせていく、という構成になっています
例外としてヴァイオレットが恩人であるギルベルトの死を乗り越えんとする8~9話と、彼の兄でありヴァイオレットを道具扱いした張本人であるディートフリート自身が救われる12~13話だけは前後編のような形となっています


この物語、本当に良く出来ています
登場人物はヴァイオレットを除き毎話コロコロ変わるも、結果的に彼、彼女らの物語はその場で完結し、エンディングが流れる頃には残されているのは視聴者とヴァイオレットだけになる、出会いと別れを繰り返すという構成が素晴らしい
幾人も魅力的なキャラが登場する群像劇でありながら、一方で全体を見渡せばあくまでこれは“ヴァイオレットの旅の話である”とわかるのです
1話観た時はヴァイオレットとベネディクトのボーイ・ミーツ・ガール的な話なのか?と勘違いしたものですがwそれは既に『境界の彼方』でやってますし同じことを繰り返さないのが石立監督は大したものだと感じさせられたところです


つまりこの作品、無感情な少女を沢山の人の力で助けてやる話ではないんですよ
あくまでヴァイオレットが、代書屋という仕事をこなしていく中で、【勝手に自分で感情を手に入れる話】なんです
個々の感情っていうのは誰かに作られるものでは無い!っていう確かたるテーマを内包した作品ってところに大変感銘を受けました


思えば、『シゴフミ』といい『テガミバチ』といい、手紙を題材にしたアニメは傑作揃いなのでつまらないワケが無かったわけですがw
個人的には“京都アニメーション作品史上最高傑作”と言っても過言ではないと思いましたね
つまり大好きです
どのエピソードも思い入れ深いものがあるので個々に語るのはここではやめておきます

投稿 : 2019/05/26
閲覧 : 837
サンキュー:

24

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