ざすたす さんの感想・評価
3.8
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
コンセプトを見失った最終話(1期視聴時点)
総合的なコンセプトはまどマギの影響下であることは制作側も意図していることなのでしょう。似てますし、おそらく確信的に意図された作りです。
序盤は日常系を主軸に魔法バトルものの展開。
中盤に雲行きが怪しくなり、鬱展開。
終盤に畳み掛けて、いざ最終話!
すると、なんか何事も無かったかのように幸せになる…みたいな感じです。
音楽はニーアシリーズやシノアリス等の方で、しっとりと儚い印象。音楽そのものは好きですが、サウンドに対して作画・世界観がそこまでダークであったり、荒廃・退廃的、もしくは叙情的ではないのでいまいちマッチ感は無かったです。
日常会話もテンポよく、描写も色気がありしっかり楽しめる作品ではありますが、12話で"「結城友奈」内の全ての出来事"に必要性を感じなくなった。
これは何故この道を選んでしまったのか。
他作品(他レビューで挙げられるエヴァやまどマギ)等と比べるとあまりアンニュイな描写やショッキングな描写は見受けられず。
あくまでストーリー展開が鬱展開なだけで、作画ニュアンスや台詞回しは比較的カジュアルな印象です。
{netabare}
「5話で全てのバーテックスを倒しちゃいました、さぁこの後物語をどうする?」といった辺りの前傾的な構成は「これから何か起こるのではないか」という示唆を感じ非常にのめり込めました。
この手の作品は「いかにミスリードさせるか」だとか「いかに世界観を急ハンドルに回転させるか」といったところも醍醐味だと思います。
そういった面では「勇者システム」の件や「神樹様を倒す」という逆転的展開にワクワクしました。
そして11話かりんちゃんまでも視力聴力を失う…のですがこの辺りから脚本の焦りや失速を感じました。なんというか、あそこはもっと引っ張ってかりん目線を描写したり(無音、暗転画面に文字だけを浮かばせて「あれ…何も聞こえない。何も見えない…」的な)他にも回想フラッシュバックを流したり…だとかしていただかないと、彼女の感じている苦痛や犠牲になってでも守りたかった想いだとかが此方に届かない。サクッと済まされてしまった感。
そしておい12話、何故みんな治ったのか!!
なんで!?理由は!?今まである程度 ”供物”であったり"散華"であったりと納得のできる概念が存在して、それがブラフとして機能していたのに
急になんか治っちゃったみたいな感じにされても!!
だって治せるんならそもそも供物や散華って要らなかったんでしょう?
「神樹様が供物を求めなくなった」とありますが、なんで?!供物要るんでしょ!?え、要らないの!?じゃあ最初から求めんなよ!!今までの何だったんだ!!
ていうかすぐ治るんなら終盤でわざわざかりんちゃんあんなにボロボロになる必要あった?(ストーリー構成的な意味で。)
しかもなぜか友奈ちゃんだけ治らないで植物人間状態に…いやなんで!?他の子は治ったのに!?じゃあ他メンバーも治るなよ!!もしくは友奈ちゃんが神樹に自分を捧げたことで他メンバーを治した的な感じに結びつけてよ!!
…と見せ掛けて、やっぱり友奈ちゃんも治りましたーという展開何やねん!!これ何ENDやねん!!
百歩譲って、このENDでやるんならかりんちゃんと友奈ちゃんの散華の件はもっと前倒しにして、他3人に治す方法を探させて、「さぁ、ようやく見つかったその方法が果して通じるのかどうか…頼む、間に合ってくれ…!!」的な展開にしてくれなきゃ、所謂"ハッピーエンドの感動"って発生しないです!
というかそもそもこういう作品を求めて視聴してる層はこんな底抜けに明るいハッピーエンドは欲しがってないです!!多分。
こんな大雑破に、断片的に、喜怒哀楽をバラバラに詰め込まれても感情移入できません!!
せっかくイントロからサビまですごく良かったのに!!大サビで!!大サビでずっこけ!!
{/netabare}
というような、コンセプトを見失った最終話だと感じました。
1〜11話の途中まではしっかり作品の中に入り込みました。2期を見たらきっとこのレビューを訂正したくなるような、凄まじいフラグ回収があると聞いているので、引き続き2期の視聴に行きたいと思います。長々と失礼致しました。