Dr.k(甘味亭) さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
永遠の海のアイドル、イカちゃん。夏が来れば思い出す。
(散々言い尽くされていますが)何と言っても魅力はイカちゃんの可愛らしさ。
しかしそれでは「ネタバレ: {netabare} イカちゃんかわいい{/netabare}」の一言で済んでしまう……。
それでは味気ない。
…思うに、それを引き出した金元さんの演技に寄るところもまた非常に大きいと思います。
過去"とある"作品がOVAにてイカ娘パロディ(CV井口さん)をしたこともありましたが。
イカちゃんはやっぱり金元さんだからこそだなと。
確か、水島監督のインタビューで一番自然に「ゲソ」と話せるので金元さんにお願いした、
との話がありましたが、まさに納得したものです。
金元さんの「ゲソ」は不思議にも、全くくどさを感じないのです。むしろ癖になる。
中身の話に入りますが、特筆したいのは2つのエピソード。
{netabare}
1つ目…5話Cパート「飼わなイカ?」
いわゆるミニイカ回。このパートは何とセリフがないんです。(正確には、ミニイカ娘の「鳴き声」はあるのですが言葉として意味をなす「セリフ」はありません)初見の時はかなり衝撃でした。
「アニメーション」の力と面白さを感じさせられた回です。
2つ目…10話、「てるてる坊主じゃなイカ?」
ここの「ニコッ」の笑顔!!
私の中では、未だにアニメの中でこれ以上の笑顔を見た事がありません。(大袈裟ですけどいや、本当に)
なぜイカちゃんの笑顔ってこんなにもかわいらしいんでしょうか?この笑顔だけは忘れる事が出来ずにいます……。本当に素敵。
あとは…制作陣の遊び心が効いている所も魅力でしょうか。ふざけている(誉め言葉)としか思えない1万円札の肖像だったり、最終話のトーナメント表だったり(落武者・芥川ってあの肝試し回の…!)。
いずれも、クスッと笑える小ネタが見ていて楽しい。{/netabare}
総括すると、素朴な魅力に溢れた作品だと思います。
こういう作品最近、ありそうで中々ないものです。
いわゆる下のネタや、はたまたアニメコミュニティの内輪パロディで笑いを取ったり。
こういう作品には困らないものです。大抵クールに何本かはあるもの。
それらが好きな方も沢山いて、作品の形としては一つであるのは確か。(それはそれで楽しめる物である事を否定しません。私も楽しむこともあります)
一方本作は、それらの手段を選択する代わりに、
「イカ娘のかわいらしさを引き出すこと」のみに全力でフォーカスしたこと。
それがこれだけの唯一無二の魅力に繋がったのではないか、と私は思います。
作品に高尚なテーマだったり、濃密な裏設定だったりあるいは刺激だったり。
そういった物をアニメに求める方には向かない作品かも知れません。
一方、まったりした物が好きな方や心が疲れている方にとってはきっと良作足り得るでしょう。
ファミリーで観ても…恐らく問題はないはずです。
(海外ではキッズアニメ扱いされているのも目にしました)
とかく、(世代的に)最近はイカ娘を知らない人が増えてきて寂しい限り。
しかし、このまま埋もれて忘れられていくには惜しい作品だと思っています。
投稿日現在(2019/7/8)ではYouTubeのテレ東チャンネルで1期は全話無料公開されています。
また最近は一挙公開の頻度も増えており、幸い作品に触れるチャンスは多めです。
未だ未視聴で興味がある方があれば、是非ともオススメしたい作品です。
きっと、イカちゃんの侵略はまだまだこれから!