dbman さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
絶望するまでは絶望しないよ
原作未読。
表題『少女終末旅行』のとおり、文明が滅んで長い年月が過ぎ、人間はおろか生物まで姿を消してしまった世界をふたりの少女が旅する物語。
少々、『キノの旅』を彷彿とさせる舞台設定だが、こちらの主役であるふたりの少女・チト(声:水瀬いのり)とユーリ(声:久保ユリカ)は、文明が崩壊したおよそ希望なんて持てそうにない世界にも関わらず、まったく危機感が感じられないまったりほのぼのとした旅路となっている。
にも関わらず、そんなふたりだからこそなのか、この先どんなことが起こるのか、そしてどんな結末が待っているかのかと気づけば全12話を一気に観てしまった。物語の起伏は少なく一定のペースで展開していくので、眠りに誘われる場面も多々あるが、言葉にするには難しい“何か”がこの作品には感じられた。
また少女終末旅行を語る上で忘れてはならないのが、作品を彩る楽曲たち。{netabare}第5話終盤での、廃墟から流れ落ちる雨粒音からそのままエンディングへと紡ぐ『雨だれの歌』の演出は素敵という形容詞がピッタリだ。この曲は最終話最後にも流れるのだが、アカペラからはじまったとき鳥肌が立ってしまったのを覚えている。
ちなみに作中第6話でユーリが歌う“歌詞が絶望という一言だけで構成されている”鼻歌『絶望の歌』には笑わせられたw{/netabare}
そして「終わるまでは終わらないよ」からはじまるEDテーマ曲『More One Night』と、OPテーマ曲『動く、動く』の両曲も秀逸で、この作品を評価するに欠かせない要素だったように思われます。