あぱぱ さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
やさしく残酷なケダモノ
視聴回数 全話3回
デビルマン原作をスピード感ある現代リニューアルさせた作品。
原作ファンからすれば、デビルマン系譜はつかんでいると思えます。
生々しい狂気と人間のやさしさと欲望を上手く表現できています。
本来の「デビルマン」原作が描写的に完成しきっているので、映像になると昔から変わらず過剰な性描写や暴力表現などで、視聴できる人を選ぶところは変わりません。
興味本位で視聴すると嫌悪感を抱く人も多いかと思います。
主人公のDEVILMAN 不動明は人一倍やさしさと強い心を持っていて、そんな彼の中へ残酷かつ凶暴な悪魔が共存するギャップを感じるところがポイント。人は理性と道徳で覆い隠しているだけで一皮向けばケダモノ、聖人君子なんて周りを見ても見つけるのが困難。という視点で見ると納得できるキャラクター。
DEVILMANは同族殺しをしているのですが、そうは思えないキャラクター演出です。
もう一人の重要キャラクター飛鳥了。
{netabare}率直に言うと不動明を愛するヤンデレさん。生物を殺すことに躊躇しない。明(AMON)を守ることに徹底している。{/netabare}
飛鳥了のキャラクターは初見の方でしたら本編を見ていただくのが私の説明より解釈しやすいです。
音楽に関してはオープニング曲の電気グルーヴも重厚感があって作品イメージとしてGood。
{netabare}2話で流れる「デビルマンのうた」が胸熱になります。{/netabare}
作画は村上隆を思わせるような細いラインでポップアート調。元々が劇画風なイメージがある作品に対して、本作の作画タッチが違和感あるかもしれないです。しかし見ているうちに慣れてきます。
デビルマンという作品は哲学や心理学であると思いますので、作品で感じたことを考えてみるには良い作品です。