えたんだーる さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「ジョン・タイター史観」によるタイムリープ物の傑作!(そして軽くCERNへの風評被害(笑)。)
※「ジョン・タイター史観」は私が勝手に作った造語です。タイターが主張する世界線の概念に基づいたタイムトラベルや歴史改変をひっくるめて表す言葉だとでも思ってください。
なお、このレビューは『STEINS;GATE』(以下、「シュタゲ」)のストーリーに直接触れるものではありません。
「この作品に出てくるジョン・タイターは実在の人物です」、……と言い切ってしまうとものすごく語弊がありますが、「自称: 未来人」のジョン・タイター(John Titor)を名乗る人物がネット上の掲示板に様々な書き込みを行ったというのは史実です。
ジョン・タイターは2000年代前半にはそこそこブームであったので、「シュタゲを観る前からジョン・タイターの名前は知っていた」という人はけっこういるのではないかと思います。
ストーリー上で重要な年(1975年、2000年、2036年など)、あるいは「IBM 5100」(作中では「IBN 5100」)や「CERN(セルン: 欧州原子核研究機構)」などのストーリー上のキーワードはタイターを名乗る人物の書き込みに由来しています。
ジョン・タイター史観での「正史(タイターが知るとする歴史)」は、おおよそは作中のβ-世界線に相当します。
ちなみにCERNはWorld Wide Web(HTTPサーバおよびwebブラウザ)を最初に開発し、世界に公開した組織としても知られています。CERNが発祥のシステムで世界中に広まった話が元になって、CERNが本作で「怪しい組織」呼ばわりされる風評被害を受けているのはちょっとした皮肉ですよね(笑)。
おまけ: 本作の主人公である岡部が「ドクペ」(Dr. Pepperと思しき飲み物)を愛飲していて、後にアニメ化された『神様のメモ帳』のヒロインであるアリスが同じくドクペを愛飲するのを「シュタゲのパクリ」みたいに言っている人がいますが、一応『神様のメモ帳』原作1巻(2007年刊行)の方が、本作の原作ともいえるゲーム版のシュタゲ(2009年発売)よりも先行しているので、ご参考まで。
ちなみに世の中には「まずい」と言う人もたくさんいるようですが、私もドクター・ペッパーはけっこう好きです。