「カードファイト!! ヴァンガードG(TVアニメ動画)」

総合得点
62.0
感想・評価
12
棚に入れた
74
ランキング
5105
★★★★☆ 3.7 (12)
物語
3.6
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

真面目で堅実なカードゲームアニメ〈YOU TUBEにて配信開始〉

2014年10月~2015年9月放送のヴァンガードGシリーズ第1期。前シリーズ(ヴァンガード1期~4期)は未視聴です。
子ども向けカードゲームアニメとして堅実で安定した良作です。

なんだろう…カードを売りたいというより、ヴァンガードというゲームそのものを好きになって欲しいという制作陣の想いがすごく伝わってきた。そこが本作の一番好きな所かもしれません。
主人公の成長物語を軸に、ファイター同士の交流やカードゲームの楽しさに様々な角度から言及し、普及協会の様子なども丁寧に描いた非常にバランスの良い販促アニメ。描写の積み重ねが素晴らしかったです。

BGMは明快な曲が多くて、作風に合っていますし聞いていて気持ちがいいです。OPも良かったけどEDがどれもお気に入り。1クール毎に変わるのですが、どれも主人公チームをメインにストーリーの内容に合わせたものになっていて素晴らしかったです。

【物語】
中学2年生の新導クロノは、不良のような雰囲気と人付き合いの苦手さから誤解を受けやすい少年。ある日学校の下駄箱に入れられていたヴァンガードのデッキを手にしたことでヴァンガードに情熱を向けるようになり、同級生の綺場シオン、安城トコハとチームを結成し、次第に仲間を増やしていきます。

【キャラクターとストーリー】
{netabare}
無駄なキャラクターがおらず、それぞれの立場での努力や信念があること、キャラクターの行動が物語を動かしていく所が良かったです。
特にこのアニメ子どもが可愛くて凄い好きw

孤独だったクロノがヴァンガードを通して人と繋がり、デッキを大切にし、自分自身と向き合っていく過程が丁寧に描かれ、自分の未来に可能性を見いだしていく描写が堅実に積み重ねられていく。クロノが大切なものを手に入れて行くのが見てて良いなあと思います。
第1話の「俺たちは一人で戦うわけじゃない。仲間の力を借りればもっと強くなれる」というカムイの言葉、ラストの「自分の未来、もう一つの可能性。確かめたい、もっと」というクロノ自身の言葉、第14話でタケルから出会いに意味を持たせられるかどうかは自分次第と教えられたことが、ちゃんと最後まで繋がっていました。

シオンとトコハもそれぞれ悩みを抱えていて、三人が助け合いながら頑張っていて応援したくなりました。少しずつ仲良くなっていくのが和む。チーム結成までが波乱万丈で感情移入しやすいので、結成後に三人で色々な試練に立ち向かうのが胸熱でした。

ユナサン支部の最後の神崎戦ではクロノの人間関係を強調する演出、最後の伊吹戦ではデッキとの関係を強調する演出がされていたのも狙っていたんだろうなあ。

ディペンド・カードはファイトの中で強力なモンスターになるのかな?って思っていたんですが、グレード0のクロノ・ドランになってちょっと驚いた。でもヴァンガードの良さが強さだけじゃないこと、仲間の大切さを言い続けてきた本作なので、クロノに縁の深そうなユニットであることで大いに納得しました。

全体を通して、伊吹とクロノの3回のファイトがクロノの成長や物語の向かう方向を明確にしていて、きちんと考えられているなと。
あーもー伊吹さん不器用かよー。{/netabare}


【作画・演出】
{netabare}
子ども向けらしい全体的にシンプルなキャラデザと画面作りでとても見やすく、演出も安定していました。作画は不安定な時もありますが、大切な回には力を入れていて好印象。ドラマパートとファイトパートでコンテ・演出にはっきり差を付けています。

背景をしっかり作り込んでいて、それを物語や演出に活かすのが上手でした。
カードキャピタル2号店周辺(浅草からスカイツリーのある地域)は、クエストでクロノが色んな場所を歩き回る上にキャラクターの再登場率が高いので、本当に地元って感じですね。
第22話でクロノが悩んでいる時、見慣れた背景だけで堂々巡りしているのがすぐわかりますし、演出としても近代的な印象と下町のような風情・陰影の付け方がクロノの心理にしっかりリンクしています。
トライスリーの三人が夜景の中で団結したり、花火を見ながら胸の内を吐露するシーンがとても好き。{/netabare}


【カードゲームアニメとして】
{netabare}
全体として誠実な描き方をしていた印象です。
第26話でしっかりしたルール解説があり、新規ファンを視野に入れているのが良いですね。ただ私もしっかり理解できてないんですけど、ファイト序盤の盤面は描かれないことが多いのかな?

本作では子どもの世界と大人の世界にドラマ性があり、それが相互に影響し合う描写がヴァンガードを軸にしっかり描かれているのも良かったです。

トライスリーの三人がクエストやイベント、ファイトで小学校低学年くらいの小さな子とも仲良くなっているのも、キャラクター描写を深めるとともに、子ども視聴者を意識してる感じがして好き。

大会でのイカサマの一件はちょっと重いけどリアリティが感じられ、実際プレイする人の気持ちに寄り添う回なので評価したいです。
物語としても、クロノが自分の気持ちやデッキに向き合う大きなきっかけになり、また後のユナイテッドサンクチュアリ支部での騒動にも繋がる名エピソード。運営に携わるコウジの厳正な判断やマモル(ドラエン支部)の公正な優しさを描写するのもきちんと考えられているなあと。

後半で展開されたユナサン支部の事件とタイヨウの描き方ですごく感じたんですが、いわゆるエンジョイ勢とガチ勢のどちらもアニメで否定していない点は特に評価したいです。ユナサン支部の事後処理と再建にも言及してくれたため、とても良い印象で見終わることができました。{/netabare}

残った伏線からすると、次からは惑星クレイの物語になっていきそうかな。
ほのぼのとした内容が好きなので、この雰囲気は今まで通り楽しみたいですね。(2018.5.3)

【YOU TUBEヴァンガードチャンネルにて2日に1話ずつ配信中】
なかなか外出できない今なので、よろしければ。
とても良い作品ですよ!
(2020.4.22)

投稿 : 2020/04/22
閲覧 : 486
サンキュー:

5

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