「メイドインアビス(TVアニメ動画)」

総合得点
92.7
感想・評価
2257
棚に入れた
9331
ランキング
17
★★★★★ 4.1 (2257)
物語
4.3
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ALIVE.

【概要】

アニメーション制作:キネマシトラス

2017年7月 - 9月に放映された全13話のTVアニメ。
原作は、『まんがライフWIN(WEBコミックガンマ)』に連載されているweb漫画作品。
作者は、つくしあきひと。

監督は、小島正幸。

【あらすじ】

隅々まで探索されつくした世界に、唯一残された世界最後の秘境。大穴『アビス』。

約1900年前に南海ベオルスカの孤島で発見された直径約1000メートルの巨大な竪穴は、
不可思議な力場が作用して地上からは観測ができず、調査するには直接入っていくしか無い。
穴の中は樹海のようになっていて、深くなる毎に危険さが増していく原生生物が侵入者を捕食する。
更には、地上に引き返す者を阻むように人体に悪影響を及ぼす上昇負荷=アビスの呪い。
浅い深界一層からの帰還ならば、
軽い目眩と吐き気程度で大したことないが深くなる毎に呪いが激しくなる。
生命の危機につながる体調不良やら最悪、呪いで生命を失うものまであり、
呪いによる尋常ならざる消耗と混濁の状態でアビスの生物との戦闘も死を意味する。
アビスの深層からの帰還には、呪いに耐えうる強靭さと相応の高い実力が要求される。
呪いに抗い、あらゆる理不尽を乗り越えて、謎が眠る奈落の深部からの帰還を果たし、
様々な未知なるものを持ち帰ってきた一握りの者は『白笛』と呼ばれ、英雄視されている。

1900年の間、一攫千金を狙う冒険家が孤島に集まり、彼らは「探窟家」と呼ばれている。
死と隣合わせのハイリスクにも関わらず、何故彼らは奈落の底を目指すのか?

アビスには地上とは異なる独自の生態系があり学術的価値は計り知れない。
更には今の人類の技術水準では到達するはずのない貴重なオーパーツ『遺物』が数多く埋まっている。
アビスで探窟の成果を収めて帰還するということは、富と名声を得るビッグチャンスであり、
それは探窟家にとって命を懸ける価値のあるハイリターンとロマンなのだ。

人の集まるところにコミュニティが形成される通り、大穴を囲む街「オース」が出来あがっている。

主人公であるリコは「オース」に暮らす12歳の孤児であり、夢と好奇心がいっぱいの少女である。
赤笛の探窟家見習いで、伝説の『白笛』の探窟家である今は消息不明の母親に追いつくのが目標。
彼女自身は深く潜りたいが幼く未熟なことから安全な入り口付近しか探窟許可が貰えない。
直訴して、ノルマを達成したら探窟範囲の見直しを考えておくとの言質をリーダーから得て、
友人と一緒に探窟作業をしていたリコではあるが、
こんな浅いところにいるはずのない巨大な蛇ベニクチナワに一呑みに食べられそうになる。
そんな危機に謎の熱線で巨大な蛇の身体が抉られ、蛇が落ちていってリコたちは助かる。
『誰かに助けられたのかな?』『わけがわからない』リコではあるが、
帰路にて自分と似た年頃の少年にしか見えないロボット?が寝ているのを見つけ、
拾って帰るのだった。

ロボットのレグの目覚め。母の遺品とされる白笛を受け取り、後に母の伝言を目にするリコ。
伝言の内容から母ライザが生きていることを直感したリコは、
レグとともにアビスの深淵を目指すことを決めるのだった。

【感想】

原作単行本6巻まで+webで現状読める範囲を読了。

なんとも度し難い作者である。ヒロインに『○ン○ン』と言わせる(しかも声優が女子高生)し、
ヒロインの大きい方の野外排泄シーンがアニメ化前の6巻である(ここ、アニメ化していいのか?)わ。
ロリ&ショタ&倒錯&ケモナー&リョナ&微グロ&ナウシカを思い出させるテクノロジーなど、
業の深い作者の性癖をゴッタ混ぜにしたシチューのような作風が特徴。

人を選ぶものではあるが、それが無ければ個性が喪失するかもしれない。
一見ホノボノとした丸っこい絵柄でありながらも、やっていることは生っぽくてちょっと変態っぽい。
それを目にして、もっとやれ!と喜ぶ読者も付き合いが良い。

生と言えば、キャラクターデザインの黄瀬和哉氏による、
原作の持ち味のままにイキイキとしたアニメーション。
腹を切れば血が流れたり内蔵が皮の下から、はみ出てきそうな作画の説得力も手伝って、
登場人物が人形でなくて中に血や骨や肉や内臓のある皮袋である人間としての臨場感。
描写はやや残酷なのだがデフォルメとの融和で過剰にはグロくない。その匙加減が絶妙なのである。

中盤まではマニア向けの作画のやたら良い冒険アニメという印象でしかなかったのだが、
リコの大ピンチから話が転がっていく10話~13話は本当に凄かった。

五体満足で生きていることは実はありがたいことなのであると、
健常であるときには気づきにくいことをアニメで見せてくれたり、
生命の重さについて考えさせられる迫力が確かにそこにはあった。
ナナチが可愛くて人気だとか、井澤詩織の声がクセになるとか、
そっちは全面的に同意なのだが、そういうことは一先ず置いとく。

登場人物を酷い目に遭わせる作風は本来なら好きではないのだが、
無理やり感が無く世界観やストーリーに合致しているので疑問がなく観ることが出来た。
一歩ズレれば陰鬱で悲惨な物語になりかねないのだが、
主人公のリコの前向きな明るさとバイタリティのお蔭で、
作品としてのバランスが保たれているのかもしれない。

文字通り物理的に血も涙もある登場人物に魅せられて、二次元の世界に生命を吹き込んでくれた。
原作にほぼ忠実な内容でハイクオリティな映像美を見せてくれた、
関係者スタッフ一同は本当に素晴らしいと思う。

今回のアニメ化部分は原作単行本1巻~3巻全部と4巻からの続きを少し扱っており、
原作のこの後には見てて心が痛くなるシーンが多い。
それでも、やはり続きが楽しみとして2期目も期待しようと思った。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/10/16
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サンキュー:

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