ニャラ さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 2.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
反・実存主義?
現実に実物として存在してようが無かろうが、ある人が「これは存在する」と信じているなら、実在してるかどうかとは関わらず存在していることになる。
こういった視点から人間どうしの繋がりを捉えた作品だと思います。
玲音の正体は、人間が他の人間と繋がりを持つうちに、無意識に存在すると考えるようになるものです。
人間を「情報を処理し、伝達する素子」と考えると、複数の人間がコミュニケーションを取るとき、その構造は脳のニューロン構造と全く同じだと気づくことができます。
その思考から生まれる意思こそが玲音なのです。
それは少人数の繋がりから見たらその場の雰囲気でもあり、人類全体での繋がりから見たら歴史でもあり、その存在だけを抽出したら神でもあり…その捉え方は時と場合により様々です。
この作品では、
・リアルワールドでの繋がり
・ワイアードでの繋がり
この2つが別物として扱われています。
そして、プロトコル7によってこの2つが繋がるとき…そこから物語が始まります。
この作品はメタファーや専門用語で入り乱れおり、全容を理解するためには努力が必要です。
それゆえ何度も観直し、それでも毎回違う見え方がする、そんな奥深い作品です。