たんたんたぬき さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
南極と言うモチーフ
何故こんな早い時期に年度代表?それはこのクラスの作品ポンポン作られる事は無いって確信があるから。次にリゼロの年のように、これを抜かすような作品が作られたとしても、多分甲乙つけがたいってものでしかないので、2作評価すれば良いから。やけに適当だなとなるけど、アニメの評価ってそれぐらい大雑把で良いと思う。感覚的で直感的な面白さがほとんどだから。
もう1つ理由がある、私個人はこの作品評価が高くない。だから別の高いランクの作品が出たらそっち評価したいから、その時先こっちを評価しておけば、自分がさほど好きじゃないから評価し無いのか?と迷うことが無いから。つまらんなら評価し無いんだ。でもつまらなくはないんだ。回りの評価とズレル。
何故ずれるのか?と言うと、恋雨の評価を見れば分かると思う。私若者の青春物大体評価が低い。ユーフォは例外的にスポーツ系の面白さとして評価してる。私の中でユーフォは実写的人間ドラマだが、それは理解した上でスポーツ部活動ものとして見れるって評価の高さがある。若者の人間ドラマが好きじゃないんだ。
そしておじさんなのに若者の青春ドラマが好きな人がアニメファンに多いのも知ってる。決してよりもいはジェネレーションギャップの生じる作品だとは思ってない。
それでも評価しようと思ったのは、多分私のこの作品良い作品だと思ってる部分と高い評価してる人同じじゃないか?と思ってるから。質じゃなくて感情の量が異なってるだけなんじゃないかないかな?と考えてるから。年齢だけじゃない、私はアニメに基本面白いを求めていて、感動したとか泣けたとかほぼ無いんだ。だから例外的に恋雨はそういう部分を刺激したので高く評価しただけとなる。
だから感情の量が同じポイントを好んでいても多分違う原因だと思ってる。私の中でキーとなったのは、11話と12話になる。
11話は、私の中ではあまり来るものが少なかったが、上手く共感もてるように作ってあるなと思った点。不満に感じる悪役を出して、それを痛快にぶった切る。この単純明快なストーリーを上手く繊細な人間ドラマに乗せている。素直に中々上手いと思う。ただキーポイント自体は単純明快だと思う。単純なのに心のひだを捉えていると感じれた。
12話は、話の構造自体は古典的だと思う。骨子?とでも言うのか、同時期のエヴァーガーデンに良く似てるんじゃないか?と思う。この手法は古典的で、夏目漱石のこころもこのスタイルだと思う。死んだ人との手紙のやり取りってすごく来るんだ。エヴァガーデンは10話と分かると思う。おそらくエヴァーガーデンもあの回の評価が高いんじゃないか?と見ている。
エヴァーガーデンと違って上手いのは、あの作品は敢えて社会発展を古い時代に戻す事で手紙の価値をあげてるけど、この作品は全く逆で、電子メールという今の時代のテクノロジーでそれをやってのけている。圧倒的に時代性の高さがこっちの方が上。エヴァーガーデンはそういった部分で、敢えて劣化させた社会発展がいろいろ問題を起こし、いろいろとちぐはぐになってて、世界観の自然さが犠牲になってる。
古典的手法を現代に蘇らせる方法として実に洗練されてる。12話だけは別格ぐらい良かった。
ただ私はこの作品重要なのは前半だと思う。コメディとは違う、ライトさをもった不思議な作品だった。明確にコメディならラブライブ脚本の花田さん得意中の得意。変な作品なんだ。もっと切れのある会話ならTARITARIが一番近い。会話に笑いとは言えない刺激がある。TARITARIは明確にあまり捻ったものにしないようなユーモアがある。
TARITARIのように明快さがないので、すごく高い能力とは言えないが、アニオリの平均的なレベルから見て上手い作り手だと思う。どんな作品でも重要になる点で、もう一つは南極ってモチーフの上手さ。何がキーになってるか?と言うとまず見てもらうって動機、次にこれを維持しなくてはいけない。それが会話の価値になってる。
どんなに秀逸な終盤の11話と12話でも、そこまで繋がらないとこの作品が傑作だと誰も気が付かない。私はアニメにおいて重要なのは終盤ではなくてスタートだと思ってる。多くの傑作はしり上がりの傾向がある。だから終盤を重視する人が多い。だが、最初に切られるようなレベルでしり上がりに上がっても上げ幅が少ない。
むしろスタートがしっかり視聴意欲が湧くレベルだからこそ、終盤のレベルが上がるのだってちとひねくれたものの見方をしているが、これは真理じゃないか?と思ってる。私の中でこのパターンに外れるのがけもフレだけ。あの作品だけは本当にスタートつまらん。何百と言う作品があって、たった1つの例外なら無視して良い。馬鹿みたいに作られる深夜アニメは大半切らないと見てられないのでスタートこそが命だ。
タイトルの回収をしたいけど、私は南極と言うモチーフは素晴らしいと絶賛してるがこれテーマにはなってない。この違いをタイトルにした。一部(南極に近づくと荒れる海流の回は南極豆知識みたいで楽しめた)南極だからの面白さがあったけど、これ人目を引く以外はあんまり南極って舞台が面白さに繋がってないなと思う。