gazabata さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ドロドロはドロドロでも
百合アニメなるものを発見して、じゃあ色々見てみようかということで見始めた。特に期待はしていなかった。
ストーリー:
ストーリー自体にはこれと言って特別なことはない。女の子同士であるという特異点を除けば、表面上はただのドロドロの恋愛ものだ。
キャラ:
頑張って作られたキャラだということがよく分かる。生半可な姿勢で創造されたキャラではない。
メインの子がうじうじしていてうざいという文句を見たが個人的には気にならなかった。うじうじしているのもどこかかわいらしいと思ったのは自分が男だからだろうか。
アニメーション:
妙に凝っていて好きだった。人や髪の毛の動き方がアニメっぽくなくて好きだった。演出も少なからずあったので良かった。
その他:
このアニメの良さを伝えるにはまず四百年余り時間を戻さなければならない。
知らない人はないないだろう、シェイクスピアは十六世紀終盤に有名になった詩人である。代表作は「ロミオとジュリエット」や「ハムレット」がある。中でも「ロミオとジュリエット」は恋愛ものの教科書として現代の恋愛ものに多大な影響を与えている。ドロドロとしたドラマを通してキャラクターを試して、成長させる。純粋な感情を引き出すために。
しかし、時間がたつにつれ、少しづつシェイクスピアなどの詩人の作品の良さは簡略化および改悪されていった。その代表的な子孫に昼ドラがある。とりあえずドラマとショックを求めた昼ドラにとって心理描写のような複雑なものは必要なく、とにかくドロドロを追求した。その影響で最近は自分を含め、一般人は複雑な恋愛ものを極端に嫌うようになっている。
そんな中、ドロドロな恋愛ものの良さを気づかせてくれたのがこのアニメである。先ほども言った通り、ストーリー自体にはこれと言って特別なことはない。だがよく見てみれば、どれだけ良い作品か気づくことができる。このアニメはドロドロな恋愛ものをえらく上手に作っている。物語にドロドロの必要性を感じたのは初めてかもしれない。光は暗闇の中のほうが目立つものだ。
まとめ:
ドロドロを通して純粋な感情を引きずり出してくるアニメ。今どきの恋愛アニメの最終話あたりでいきなり意味もなく出てくる「二人の関係に亀裂が!!?」とはわけが違う。ドロドロが何のためにあるかちゃんとわかっている。偉い。他の恋愛ものとは格が全然違うのにその良さをうまく伝えられなくて悔しい。そしてほかの恋愛ものと同じグループに入れられてしまっているのがかわいそう。
あとどうせなら最後までやってほしかった。
点数:8/10