四文字屋 さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
稀有の傑作は喧騒の街で乾坤一擲の機微を得ル
ジャンル:サイバーパンク系ハードSF
時代設定:近未来
特記事項:生体電脳化がほぼ100%普及
草薙素子:Ghost in the Shellより艶があり、この後の展開作品よりクール
何を今更。のSF系大傑作。
何故今レビュー書くかというと、4月クールでレビューしたいTVアニメがひと段落したから。
大作や話題作は、もっと先行き見定めてから書くか、ずっと書かないか、のいずれかなので。
Ghost in the Shellという、これもアニメ界を代表する傑作が下地にあって、この作品は生を受けたのだけど、
Ghost in the Shellと最も異なるのが、草薙素子のキャラ造型。
Ghost in the Shellの草薙は冷徹で無機質で無生命的な存在だったのだが、
それと対比されるように、SACにおいて、パラドックスではあるが草薙は生命感に溢れウィットに富み可愛くてコケティッシュ。
話中で展開されるエピソード群も面白く、
2クールを貫く「ある事件」の深掘りと顛末も見事な、
極めて完成度の高いストーリー・テリングと、
その脚本を陳腐化させない演出・構成力の確かさ。
作画も音楽も、よくぞここまで。
と唸らせられる高品位で、
ここまで仕上がってる作品というのもなかなか無い。
それで改めて原点に立ち返って考えてみると、
Ghost in the Shellに比べて、
特記点はやはり、「キャラクター」な訳だ。
士郎正宗氏の原作がサイバーパンクコメディっぽいノリもあったのを、
しっかり咀嚼し、生かし切ったという点において、
やはり今作は、名作Ghost in the Shellを凌駕している、
と断言してしまうのは、持ち上げすぎだろうか。
それぐらい、草薙が生き生きと描かれている。
バトーやトグサも、Ghost in the Shellとは全然違った魅力に満ちている。