![](/img/user/user-nophoto.jpg)
退会済のユーザー さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
みぞれと希美 2人の物語
90分。目を離す瞬間さえ惜しく
もう一度劇場で見たいと思った映画は初めて。
{netabare}
ストレートなセリフや明確な答えがある作品では無い。
みぞれと希美の「言葉」と「言葉とは違う感情」それをセリフだけではなく、ふとした仕草や、会話の「間」だったり、小さな表情の変化での表現をしていて、みぞれと希美の心情を深く読み解きたくなる。
正反対の性格と価値観の違い
噛み合ってるようで、そうではない2人
曖昧で不確かな関係
通じ合うよりもすれ違った回数の方が多かった
だからこそ偶然重なり合った瞬間が美しくみえたのかもしれない
--------------------
余談
贅沢を言うなら中学のエピソードがもう少しだけ見たかった。
第三楽章の冒頭のメロディーが頭の中でリピートする。
10年くらい経ったら、きっとこの2人は互いを分かり合える。と願う。
備忘録
1回目はみぞれ視点で見たので、次は希美視点で見てみよう
{/netabare}
2回目視聴後、追記
希美について自分なりの解釈↓
{netabare}
生物室でのシーンについて
■揺れる瞳
「希美の~が好き」と言われる度に数回揺れた希美の瞳。
希美がみぞれに言ってほしい言葉を探しているという演出なのかもしれない。
■3回のありがとう
それぞれ声色が違うありがとう
1度目と2度目は好きと言ってくれたことに対する感謝や、もうわかったからという諦め?
3度目のありがとうは吹っ切れたというより、区切りをつけたという印象だった
1回目の視聴ではどうして希美はみぞれが好きと言ってくれないんだろうという気持ちになった。
2回目を見た後は、これは「言わなかった」んじゃなくて「言えなかった」のだろうと感じた。
あのシーン、希美は自身の色々な感情(嫉妬や自己嫌悪?みぞれが自分とは違う特別な才能があると確信した事)で一杯一杯だった。
そんな時に大好きのハグを求めるみぞれ。自分に余裕の無い希美は戸惑う。好きな所をいくつも言ってくれるけど、そこに一番欲しい言葉は無い。
「希美の全部が~」とみぞれが全てをさらけ出した瞬間、
「みぞれのオーボエが好き」…これの解釈が一番難しい(次の宿題)
余裕の無い希美がこの時点でハッキリと言えるのがこのセリフだけだったのだろうか。
希美がハグの時笑ったのは…噛み合ってない。だけど同時に、相手に言って欲しい言葉がもらえない。その一点だけは私達同じなんだ。と気付いたかららだろうか。
~とっても個人的な意見~
みぞれと希美は一番欲しい言葉はもらえなかったし、与えなかった。
でもそれは言葉にならなかっただけだと思う。
みぞれは希美のフルートが好き…ただ、それよりも希美自身に惹かれている。
希美はみぞれが好き…ただ、それよりもみぞれが持つ才能に惹かれている。
あの時の2人は自分の気持ちだけで溢れそうで、相手の感情を気遣う余裕が無かったから、噛み合わないハグになってしまった。
そしてその後の会話も微妙に噛み合わない2人w(下校時のハッピーアイスクリームの所とか)
でもこれはバッドエンドじゃない。
ハッピーエンドへ向かうのはこれからの2人次第。
これは終わりではなく未来へ進むための物語だったんだと思う。
{/netabare}