Dave さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ガルパン×艦これ
オリジナル作品なので前評もないし、まさに伏兵でしたね。危うく録画し損なうところでした。艦これとはまた異なったアプローチで【旧日本海軍 x JK】の設定を成立させています。特に1話のEDで「はいふり」が何を意味するかが明らかになるという劇的な開幕には良い意味で「してやられた!」と思いました(※ところが伏せられていた番組名も正式名称に変更になったことで、翌週の録画に支障を来すという、これまた「してやられた」が・・・)
1. 設定秀逸
JKが旧帝国海軍の艦艇である練習艦に乗って、ひょんなことから実戦投入されて…というありそうでなかった比較的斬新な設定で、ずらっと並んだ艦艇を見てこれからどんな世界が始まるのかととてもワクワクしました。
2. キャラ多め
小型の駆逐艦とはいえ艦艇なので、自艦だけでも沢山の乗組員がいます。ある程度「自動化されている」という設定で人数は現実の艦艇よりは減らしていますが、それでも結構な数のキャラクターが登場します。敢えて完全なモブにはせず、それぞれ可愛いく魅力的なキャラに作ろうとした努力は称賛に値するのですが、尺が足りずに各キャラを掘り下げられなかったのが残念。結果的にはキャラクターが多すぎて、誰が誰やら。もっと肩入れできるキャラの選択肢が多いと、某アイドルものや艦これのようにファン層にも広がりが持てたかと。
3. 平和の代償
ガルパンよろしく兵器を使うけれど人の死なない、まったりとした平和な世界に設定した代償で、イマイチ緊張感やドラマ性が低い。それなりのドラマはあるのに、痛みや悲しみ、怒りや憎しみなどの負の感情がない分、感動や熱い友情なども演出できず、結果として「けいおん」のような艦上における日常系という枠を脱せなかった。
4. 張りぼてのUSJのようなイマイチ広がらなさ
特に1~2話では、これからどれだけ壮大な世界が広がるのかと胸躍ったのですが、意外とこじんまりとした世界艦に終わってしまった印象です。自艦内を厚く描いた代償として、外の世界が狭くなってしまったのでしょうか。登場艦も比較的限定されており、その中でドイツ艦が出てくる必要があったのか? 出すならば、もっと不可欠な役割を与えないと「出しただけ」になってしまった。現代艦(ズムウォルト級)も少数登場するのに、イマイチ性能差などが表現できておらず、それなら全て旧軍艦艇で賄えたかな、と。ズムウォルト級が出てきて喜ぶ層(=ある程度、艦艇やミリタリーに親和性のある層)を狙うなら、巡洋艦や潜水艦などとの連携や役割分担、戦術を描けばもっと面白かったかなと思います。
5. 音楽!!
なんだか書き出すと厳しいことばかりになってしまいましたが、僕は好きです。作画も世界観もキャラもそれなりに好きなのですが、期待値が大きかっただけに、つい「一言申す」記述となってしまいましたが、非の打ちどころがなかったのがOP曲です。1話の最後で登場した時には鳥肌ものでしたね!