前田定満 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
宮崎駿監督の最高傑作!
1986年スタジオジブリの最初のアニメーションです。
自分の思うジブリの最高傑作です。
物語、キャラクター、世界観、すべてがすばらしいと思います。
鈴木プロデューサーによるとラピュタのシナリオは宮崎駿監督が小学校5年生の時に考えていたんだそうです。
天才ですね!
あらすじ
{netabare}ムスカ達の黒眼鏡にさらわれたシータ。
しかしムスカ達とシータの乗っている飛行船を海賊ドーラ一家が襲います。
ドーラ一家の狙いはシータの首飾りの飛行石。
もう少しで捕まりそうなところ、足を滑らせ飛行船から落ちるてしまいます。
幸い飛行石の力でシータはゆっくりと地上におりて
主人公パズーに救われるところからお話はスタートします。
パズーとシータが知り合いお互いを知り合ったところにふたたびドーラ一家が来ます。
そのドーラ一家から逃げる家庭でシータとパズーは谷底に落ちてしまいます。
その時にシータの飛行石の力が発動することにより助かり、
改めて石の力を再確認します。
谷底の洞窟でボムじいさんからラピュタの科学力と飛行石について聴きます。
洞窟を出たあとムスカ達軍隊に捕まるもドーラ一家と共にシータを救いだし
ラピュタへと向かいます。
{/netabare}
映画の魅力1 映画に引き込まれる演出
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1 オープニング
{netabare}最初のラピュタができてラピュタ人が地上に降りるまでの画が
サウンドトラックの「空から降ってきた少女」(君をのせてのオーケストラバージョン)とともに流れます。
引き込まれます。最高のスタートです。{/netabare}
2 世界観
{netabare}やはり何と言ってもラピュタ島でしょう。
まず空に浮かぶ城というのは憧れでもあります。
また誰もほとんど発見出来なかったという未知なる世界。
自分が好きなラピュタのシーンは主人公パズーの父親がラピュタを発見するシーン。
ラピュタ島が未知の島であることが伝わる幻想的なシーン。
ラピュタの全体像のシーンよりも好きです。
やはり全体像を見てしまうとつまらないですよね。
こういうものだで終わりますから。
一部しか見えないほうが想像が膨らんで美しく思うのです。{/netabare}
3 ワクワク感を与える中盤の演出
{netabare}パズーとドーラ一家が軍の要塞からシータを救い出すシーン。
ここがひとつの山場でもあります。
まずシータが自分のことを守ろうとしてくれていたロボットに最後まで気付けなかった悲しさ。
泣ける人が多いです。
そしてシータを救い出すパズーと操縦の完璧な技を披露するドーラのカッコ良さ。
そしてドーラ一家と仲間になり新たな冒険がスタートするワクワク感。
山場でもあり次の第二部に繋げる素晴らしい演出だと思います。{/netabare}
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映画の魅力2 キャラクター
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キャラはみんな凄いです。
パズーもシータもいい子達ですが
ムスカやドーラのキャラの濃さには負けます。
僕はドーラが好きです。
豪快ですが出す指示は非常に的確で
部下達を危険から守ります。
余談ですが私の通っていた幼稚園のときの副園長先生が
青い服を着たおばさん先生で
幼稚園のときあの人はドーラだと思って過ごしていました。
またヒロインについてですが
シータは優しく一途な少女です。
宮崎アニメの描くヒロインは一般的に
男ウケの良い女の子が多いです。
その理由について高畑勲監督は
「宮崎監督は男4人兄弟で身近に女の子がいなかったからだ」と言っていました。
高畑監督は兄弟姉妹だそうです。
だから高畑アニメのヒロインは普通な女の子が多いですが、
宮崎アニメのヒロインは宮崎監督の思う理想の女の子が多いようです。{/netabare}
本編の重要なテーマ「なぜラピュタ帝国は滅んだのか?」
{netabare}ラピュタに到着してからパズーがこのことについて疑問を持っています。
{netabare}「立派な街だったんだ。科学もずっと進んでいたのに、どうして…?」{/netabare}
物語終盤でシータがその答えを言っています。
{netabare}「今は、ラピュタがなぜ滅びたのかあたしよく分かる。ゴンドアの谷の歌にあるもの。『土に根をおろし、風と共に生きよう。種と共に冬を越え、鳥と共に春をうたおう。』どんなに恐ろしい武器を持っても、沢山のかわいそうなロボットを操っても、土から離れては生きられないのよ!」{/netabare}
科学の力に頼り過ぎ、それに酔いしれて、自然から離れてはいけない。
人間は自然に生かされていることを忘れるな。
それをシータそして宮崎駿監督から改めて教わった気がいたします。{/netabare}