ato00 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
癒し系ダークファンタジー<追記;星待つひと>
異形のものが見える少女ちせ。
心に傷を負い、世捨て人としてロンドンへ。
魔法使いエリアスに買われ、弟子そして嫁に。
これはこの世から疎外された魔法使いと少女の物語です。
おどろおどろしさと癒しをまとった不思議な雰囲気。
ときに激しく、ときに静かに事が動き出します。
魔法使いに魔術師、妖精にドラゴン、そして人ならざる者。
あまり気持ちのいいアニメではないけど、何故か心が惹かれます。
冒頭、エリアスが圧倒的な保護者に見えます。
しかし、時が経過するにつれて、その関係が対等そして逆転。
ちせは一種母親のような存在に。
この世から遊離したエリアスをちせがたしなめることも。
その軽い漫才チックなやりとりは楽しいです。
基本、心の闇をかき乱すシリアスな出来事が発生。
暗い展開が続きます。
でも、様々な人および人外と出会いにより居場所を見つけるちせ。
その温かい絆が心のより所になります。
ちせは落ち着いているようで意外とドジ、そして頑固で気が強い。
終盤にはその堅物観が発揮されて頼もしい。
自分の信念を貫くことの大切さを教えてくれます。
老ドラゴンネヴィンの重厚な語り口と水に落ちるちせが印象的なアニメ。
物語はまだまだ続くようです。
でもまあ、ここら辺で終了するのもまた良しとしましょう。
<追記;星待つひと>
{netabare}知りませんでした、本編の前にこんなOVAがあったとは。
全3話の過去回想記です。
ちせの幼少期、日本での不思議な記憶。
迷い込んだ魔法図書館での出会い。
静かで優しく、ときに激しい。
ある本を巡る叶わぬ想い。
哀しさの中に暖かい気遣いが溢れています。
思い出をちせがエリアスに語る形で進行。
ゆっくりとした静かな語らいに心が洗われます。
いまや、いつもの風景と化した穏やかな日常。
シルキーのじーっがカワイイです。{/netabare}