蒼い✨️ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
結局は、恋愛話ね。
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント/だぶるいーぐる
2018年3月21日に発売された全4話のOVA。TVシリーズの続編。
原作は、漫画アプリ『comico』にて連載されていた夜宵草による漫画作品。
監督は小坂知。
【概要/あらすじ】
海崎 新太(かいざき あらた)は27歳。(完結編時点では28歳。)
彼は会社で心の傷を負って退職し、再就職もままならない日日を送っていたのだが、
ちょうど先行きに困って切羽詰まっていた時期に来たのが、リライフ研究所という組織からの依頼。
ニートやヒキコモリの社会復帰をサポートするのが組織の業務らしく、
薬を使って見た目は十代の肉体に若返り普通の高校生たちに交ざって高校生活を1年間やりなおすことで、
精神的な再構築や不足分を補って社会人としての再生を行うとかいう実験の被験者になるのが、
新太に与えられた仕事の内容。お金が貰えるし、成功しての実験終了後は再就職の斡旋までしてくれるという。
引き受けた新太は、青葉高校に入って高校3年生として時間を過ごし、
成績は良いのだが感情表現に乏しく人付き合いが出来ない日代千鶴をはじめとして、いろいろな級友と仲良くなる。
リライフの日日は精神的な安定と成長を促し実験が順調に進む中、
その一方で二度目の高校生活の終了が確実に近づいていた。
【感想】
他にも書いてる人がいますが、モブがシルエットになってるのが良くないですね。
名前の無きクラスメイトはスカイブルーとピンクの影になっていて彼ら彼女らはトイレの標識ですか?
ごくたまにモブクラスメイトはシルエットから人間に戻るのですが、演出意図としては意味不明だし手抜きですよね。
そして、ストーリーに関して思うこと。
ざっくばらんに言って、リライフ実験の描写がイマイチよくわからない。
いい友達に会えたねー。良かったねー。笑顔になれたねー。新太は、これで成長したよ!というお話。
学生時代のクラスメイトなんて、そんな良いものかな?と。
たいていが自分のことでいっぱいいっぱいだし、精神的に噛み合わないと冷たいものだし。
社会に出ても、それは変わることなく。むしろ、社会に出てからは人間関係が仕事や金銭に絡むようになるから、
人と人の付き合いはシビアになる気がするのですよね。
人に好かれる人、嫌われる人で大幅に周りの扱いも変わるんですが。
普段の行いを周りがしっかりと見ているから、それが人間の評価としてダイレクトに跳ね返ってくるものであるし、
生き方というのは顔に出るんでしょうかね、他人が嫌がることばかりしていれば顔つきが卑しくなるし、その逆もしかり。
TV版のほうでも書いたのですが、海崎新太という人間の場合は彼は正義感が強く、
前の会社の経営者が人間不信になってもおかしくない酷い奴だから噛み合わなかったというだけの話であって、
リライフするまでもなく、元々の彼には社会人としての欠落という問題視する点が特に無かった。
ただ単にモラトリアムの延長期間が与えられて、ヒロインとの出会いの場がセッティングされて、
親密度アップのイベントが順次起きるという話であって、ドロップアウトした人間の再生物語としては疑問でしたね。
むしろ、人との関わり方を知らない千鶴視点で具体性を持って心理ケアを丹念に描いたほうが説得力があったのでは?
千鶴の話も彼氏的な人間の新太が出来て、それで彼女に変化が生まれたという話であって、
じゃあ恋しなけりゃ人は変われないの?という感じで。
現実的に見るとドロップアウトした人間の復帰の妨げになっている要因って、
他人の目を極度に恐れたり、理想の自分とのギャップや思い通りにいかないことで折れてしまったり、
自信の無さや諦めの問題であって、そこらへんを解消していく過程を重点的に扱わないと、
リライフの研究テーマに合ってないと思うのですよね。
そこらの観点が足りてないから、存分に楽しむというほどの物語でもなかったです。
まあ、このアニメを楽しもうと思えば、リライフ実験のことは一旦忘れて、
新太と千鶴の恋愛を追って、二人の空気感を楽しめばイケるのではないか?と思いました。
細かいことは気にしちゃダメ!ということで!
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。