takumi@ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
幸福をめぐるサイコサスペンス
「幸せになりたい。小さい頃からそう思ってた。」
冒頭でそう語ったのは・・・
その相手が幸せかどうかの事実に関係なく、
幸せそうに見える者が狙われていく小さな事件があちこちで起きる。
ともすれば偶然にも思え、警察も取り合わないようなものだけど、
被害を受けた者はみな不愉快極まりない。
きっとそんな日常は、現実世界のあちこちに転がっていて、
日々の流れの中、周囲からはいつのまにか忘れられていくものなのだろう。
この作品を観ての印象を一言で言うなれば、「因果応報」
幸福感というものに囚われ過ぎて、物事を客観視できなくなっていくのは
悲劇以外の何物でもないわけだけど、当の本人は悲劇だと思ってないから厄介。
それでも、事件の首謀者が信じてやまない理論。
世界の幸福の値がもし変わらないと仮定するなら、
自分が不幸になるとき、誰かが幸福になり、
自分が幸福になるとき、誰かが不幸になる、
というのは、宗教に関わらず成り立つ部分もあるのかもしれない。
ねたみ、憎しみ、嫉妬、そして人間の愚かさ。
人の心の闇が、「電波的な彼女」1作目に引き続き、
こちら2作目の「幸福ゲーム」でも引き継がれ、
重みはさらにパワーアップしていた。
主人公のひとり、堕花 雨(おちばな あめ)が言う、
「手っ取り早くしあわせを感じるには、現実を見ないこと」
というセリフが、とても電波的で彼女らしい。
{netabare}また、ラストは衝撃的ながら納得できるものだったし、
前作同様、ホッとできる。 {/netabare}
1作目もシナリオが秀逸だったと思うけれど、
1作目からの伏線もしっかり回収されており、
個人的には、こちらの「幸福ゲーム」のほうが、
物語として良作だったなと感じた。