空知 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
お互いを想う気持ちは薬よりも強かった
ATXでまもなく始まるのですが、4週かかるので、Amazonプライムで視聴。
1期は観ていました。良い作品でしたし、私のようなオッサンが、
薬一つで時間軸を変えることなく{netabare}若返るという点が
他のタイムリープとは違う面白さがありました。{/netabare}
まずこの完結編を観て感じたのは、創作者側の責任感。
円盤の売り上げを調べてみましたら、かなり気の毒な結果。
しかし、あにこれでは人気があった作品だった記憶があります。
完結編として、第14話から第17話をきちんと完成させたことは、
アニメファンとしては、感謝の気持ちでいっぱいです。
1クールという尺に合わせるために、無理をして原作の面白さを失ってしまった作品は多々ありますよね。
テレビ局も、1.5クールという作品枠を作ったならどうでしょうか?
そうすれば、評価が上がる作品はたくさんあると思います。
僕は人生をやり直したいとか、もう一度青春に戻りたいなんて気持ちは全くありません。
でも、「おっさんあるある」って描写があり、1期は笑える場面がありました。
完結編まで観て、感じたのは、
人生の各瞬間は、「その時しかあり得ない」ってことです。
若返って再度やり直すなんてことは絶対に不可能だからこそ、
こういう作品には夢があって楽しめるのです。
矛盾をつっこむのは野暮というものです。
高校生には高校生の悩みや楽しみがあるように、
各年代にならないと分からない苦悩やある種の諦めというものがあります。
高校生の経験をしたことがある二人が、再度、大人の観点から高校生を見つめてみる、
という点も本作品の素敵な一面です。
人は生きていて、見過ごしてきた事が以外と多いものですから、
僕は余計に身につまされました。
人生は躓くものであり、いろいろあります。
やり直しがきかないこともありますが、やる気になればやり直せることも多々あります。
{netabare}
完結編で感じた本作品の意外性(良さ)は、
日代さんが思った以上に物事を客観的に見ていたことです。
海崎は日代さんが被験者であることを見抜けなかった。
しかし、日代さんは海崎が被験者であることを感じていた。
だからこそ、この二人の間には、それぞれ違う角度から
想いを伝えられなかった。
「消えてしまう記憶」
というお互いへの思いやりが、二人を繋げなかった。
悲しいすれ違いでした。
ですが、お互いの優しい想いやりでした。
{/netabare}
最後の場面はとても感動しました。
記憶は消えても、思い出は消えない。
アニメならではの感動作でした。