Progress さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
北海道といえば…ジンギスカン♪ヒンナヒンナ
この作品は登場人物がどこを向いているかという点が面白い。
どこ、とは目的の事です。
登場人物全体が「アイヌの金塊」を目的としています。
ですが、最終目的は、その金塊の利用先にある。
杉本は何のために金塊を求めているのか、ちょっと謎。
最初は簡単に稼げる手段みたいにしか考えていなかったのが、アシリパの手助けのためになってる?
アシリパは、金塊は元々アイヌのものであること、アイヌから奪った人間に制裁、復讐をするために。
第7師団鶴見は、軍事政権を樹立させるための資金として。
土方歳三は死に場所を探すかのように戦場を巡る。
各々が自身の目的のために動いている。目的とは野望であり、妄想であり、願望。
それを現実にするための、知略、力、気力。
各登場人物が、その目的のために戦場に持ち合わせる才覚や覚悟のぶつかりあい。
その辺の人物作りがそれぞれしっかりとしているのが魅力、面白いですね。
もちろん、オソマがヒンナといっているコメディ部分も十分に楽しませて貰っています。
人狩りが日常のような世界から、飯の話で笑いあえるコメディな日常が隣り合っている。
そんな異質な部分を感じてはいます。
この異質と感じた部分を現代社会により私が「守られすぎている」から感じることなのか。
そもそもこの二つは何か?
人狩りは死に直結します。飯は生、生きるために必要なことです。
人の生き死にがこんなにも身近にある世界。
アイヌの文化、北海道の文化、人の営みを感じることが生なら、人狩りゲームが死。
この二つが両立することで、この作品の登場人物の命のきらめき、強い鼓動を感じることができるのではないでしょうか。