四畳半愛好家 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
緊迫感十分なSF作品!デザだって、原作よりか媚びてますよ…
原作1巻まで既読。
森羅万象が止まった世界である“止界”を舞台に、止界術の石を巡り教祖たちとの戦いが繰り広げられるSF作品。全12話。
無職の父、ニートの兄、隠居の祖父、シングルマザーの姉の息子(甥)、そして就活苦戦中の主人公…と主要登場人物がひどく庶民的なのが特徴。
この登場人物たちが、教祖たちと戦いを繰り広げることになる…。いささか心許ない…。
今どきの格好いいキャラや可愛いヒロインが派手な戦闘を繰り広げる作品と比べて、正直本作はどこまでも地味である…。
当然退屈に感じる方もいるだろうし、万人受けしない外道枠の作品と言える。
しかし、この「地味さ」も侮れない。
作中で起こっている現実離れした出来事も、等身大の生活感あふれる地味な登場人物たちのおかげで、どこか身近なものに感じられ、それ故、一般的なバトルアニメ以上に緊迫感のある作品となっているし、引き込まれる作品となっている。
ついでに言えば、この地味さだって原作よりかは抑えられている。
原作の主人公は、「男に振られ就活中の28歳の長女」であり、「21歳の次女」に変更されているのは、アニメ化に向けてある程度”媚びたから”に他ならない。
EDの可愛い感じも”媚びたから”に違いない。(矛盾するようだが、これは「ナイス媚びだ!」ポージングとか エr…可愛いじゃねーか!)
{netabare}
身近に感じられる分、石を壊した健気な主人公に泣きそうになったし、威厳を取り戻そうと必死な無職の父は思いがけず面白くて笑えたり…。
ダメ人間が多い佑河家は、憎まれ口をたたきながらもやっぱり家族であり、しっかりと絆を持っている。無職もニートも、佑河家皆が、父の知れない「真」を一番に考えているところ、素直に素敵だと思う…。
地味ながら家族の温かみを感じられる作品でもあったし、キャラの魅力も悪くないと思う。
(しかし、最終回の急展開がなぁ…そこはもっと熟考してほしかった…減点せざるを得ないポイントだと思う…。過去の翔子との接触も、もっと良い感じの話だったらよかった気が…。期待してたよりしょぼかった…。)
{/netabare}
ともかく、外道系の作品も楽しめる方には、お勧めしたい、見応え十分な作品だと感じた。