Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
胸が熱くなる瞬間を、本当は誰だって待ってる…
この作品の原作は未読ですが、ノイタミナ枠であること、シリーズ構成が赤尾でこさん、そしてアニメーション制作が進撃の巨人、甲鉄城のカバネリや魔法使いの嫁で知られるWIT STUDIOさん、と知り視聴を決めた作品です。
やっぱりノイタミナ枠の作品って気になりますから…
この物語の主人公は、高校2年生の橘 あきら…
黒髪ロングの似合う美人でスレンダー系の女の子です。
彼女は、もともと陸上部の短距離走のエースとして活躍していたのですが、1年生の頃にレースで足に大怪我を負ってしまい競技ができなくなった過去を持っています。
競技ができない部活との関わりも次第に疎遠になり…現在はファミレスでウィトレスのバイトに勤しんでいました。
あきらがバイトに勤しむことができたのは、同じファミレスで店長を務める45歳の男性に魅かれたから…
その45歳の男性…バツイチ子持ちで特に取り柄も無く、普段気付かなければ通り過ぎてしまうような只のおじさん…それに愛煙家で無造作に副流煙を周囲に撒き散らす怪獣の様なおじさん…
なのですが、気付きやきっかけって人それぞれであるように、気持ちも人それぞれ…
高校2年生がそんな淡い恋心を胸に秘めながら物語が動いていきます。
この作品を完走して思ったこと…
作品のジャンルは恋愛なので、物語の纏め方について様々な意見が出ると思います。
登城人物の気持ちをゆっくりと…でもしっかりと掴みながら大切に育んできた物語…
であるからこそ、ただの恋愛物語とは一線を画した纏め方にこの作品のメッセージが込められているんだと思いました。
年の離れたカップル…今回の場合は年の差25歳…
確かにこれだけを見ると、凄く羨ましい系の犯罪行為なのかもしれません。
でも店長は分別のある大人で、自分が彼女を受け止められない事を十分に理解しています。
だって17歳と45歳…普通に見たら親子ですよ…
それに仮に恋人という形を取ったとしても、自分の愛情を100%彼女に向けられない…
45歳という人生はそれなりに長く、否が応…いえ、偶然でも必然でも色んな事を経験してきています。
その過程で生まれた「かすがい」は絶対に蔑ろになんかできません。
だから、愛情が生まれたとしても相手に寂しさややるせなさを感じさせてしまう…
それを考えるとどうしても腰が引けてしまうのは理解できます。
それなら何故この物語がこんなにも支持されているのか…
そんな四角四面で割り切れるほど人の心は単純じゃ無いという事…
おじさんの常識を遥かに凌駕するほど、あきらの気持ちが純粋で真っ直ぐだという事…
そしてそんな熱い気持ちに触れて気付く…もうずっと燻っていて蓋をしていた自分の夢…
この作品は気持ちと叶えたい夢のバランスが半端ないほど秀逸だからだと思います。
きっかけも進んできた道も全然違う人同士の出会いはごく自然な事…
その出会いによる干渉はお互いにどんな共鳴をもたらしてくれるのか…
それは本当に千差万別だと思います。
これまで忘れてきたと自分に言い訳をしながら蓋をしてきた夢…
挫折から飛ぶことを忘れてしまった夢…
相手を思うことは大切だと思うし、その思いを糧に自分を磨くことだってできる…
でもそれと同じくらい大切な夢ってあると思うんです。
今しか追えない夢…
今だから追える夢…
思いと夢に対する自分ならではの「折り合いの付け方」ってあると思うんです。
そしてその折り合いは、これから自分が自分として生きるために絶対必要な事だと思います。
あきらと店長…二人は自分自身にどんな折り合いをつけるのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、CHICO with HoneyWorksさんの「ノスタルジックレインフォール」
エンディングテーマは、Aimerさんの「Ref:rain」
どちらの歌も「超」が付くほど大好きです。
この前カラオケに行った時、オープニングが入っていたので思わず熱唱してしまいました^^;
その時、エンディングは無かったのですが、今は入っているみたいですね。
オープニングは歌とアニメが上手くハマっていて、可愛らしいあきらに視線が釘付け…
エンディイグはちょっと大人っぽい曲ですが、サビのハモリの部分とか鳥肌モノです。
1クール12話の物語でした。
想いと身体の動きがチグハグでもどかしいことがあります…
でもそのもどかしさは遠い先でまた接点の生まれる伏線だと思いたいです。
そしてそんな時が訪れるなら…その時はお互い笑顔で向き合えることを願っています。