退会済のユーザー さんの感想・評価
2.8
物語 : 1.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
脚本力の致命的な欠如
このアニメは、映像と音楽と声優さんの演技はとてもいいです。特に作画は素晴らしい。
しかしながら、そんな評価も最悪帳消しにしてしまうほどに、致命的に悪いのが脚本です。
どことなく他作品に既視感を覚えるような、テンプレを練り合わせたようなキャラ。それだけならまだよくあることですが、そんなテンプレが取ってつけたように釣り合っておらず、非常にリアリティに欠けるキャラクター像になってしまっているのです。特にヒロインのキャラのアンバランスさは際立っていました。
またそんなキャラ同士の会話はというと、これが明らかに文章力の弱い、不自然な言葉の投げ合いばかり。いちいち説明的だったり言葉のチョイスが微妙だったり。特に物語序盤は、ひたすら違和感が付きまとっていました。
物語が繰り広げられる舞台に目を向けると、一見すると西洋の街並みが広がっているようで、なぜか当然のように日本の寺があったり、また日本の食文化であるあんぱんが普通に出回っていたりと、何でもありな多文化国家。一言で表すなら「カオス」なんです。この作品にリアリティはあるのか……? この何でもありな設定のせいで、全然話に入り込めませんでした。
そして、これらのことに仮に目を瞑ったとしても、ストーリーがまた残念。
警察側と超人側、それぞれの行動や思惑が交錯する、というのがこの話の魅力だと思うのですが、はっきり言って交錯できていません。バラバラです。
どちらか一方の話だけでこのアニメは成り立ってしまう。それではこの構成にした意味がありません。
またシリアルキラーを題材にした割には、メッセージ性やアンチテーゼが何もない。ストーリーに説得力がないのです。まあこれについては、「そんなものはば必要ない」と言ってしまえばそれまでですが……、
ぐだぐたと長くなりましたが、総じて言いたいことは、脚本が残念という点に尽きます。
もしこの作品が、映像と音楽をそのままに、ストーリーがPSYCHO-PASSなら、間違いなく傑作となっていたでしょう。