dbman さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
引き返せなくなった時に、初めてそれは旅になる
私など凡人には到底、行き着くことができないであろう南極にある昭和基地を目指す。しかも平凡な女子高校生が! という作品。タイトルの『宇宙よりも遠い場所』は、元宇宙飛行士の毛利衛氏が「宇宙には数分でたどり着けるが、昭和基地には何日もかかる。宇宙よりも遠いですね」と話したことに由来しているそうだ。
いやはやこちらも心に刻まれ、生涯忘れることができないであろう素敵な作品となりました。作画にクセがあり私としては苦手な部類に入るものだった為、少々心配しながら視聴していたが、第一話が終わる頃にはまったく気にならず引きこまれていました。もちろんそのまま全話一気に完走。
作中では、ところどころ不意打ちのように名言が飛んでます。中でも、三宅日向(声優:井口裕香)の「引き返せるうちは旅ではない! 引き返せなくなった時に、初めてそれは旅になるのだ!」は、旅行好きな私にとってイイコトバダナアと感心させられる一言となったw
また第8話は名言回と言うべきか、彼女たちが強烈な船酔いに苦悩し幾度も挫けそうになる中、主人公・玉木マリ(声優:水瀬いのり)による「選択肢はずっとあったよ、でも選んだんだよ、ここを」は心打たれた。前後は割愛するが「この旅が終わったときには絶対にそう思ってるもん」から被せ流れるEDも良かったなあ。
目的である“宇宙よりも遠い場所”を目指す上で、様々な困難を乗り越えていく様子はもちろん、到着がゴールの「めでたしめでたし」ではなく、その場所に到着してからも楽しませてくれます。
もうこれ、小中学生の教材にしてしまえばいいんじゃないか!?
夢を持っていないからっぽの少年少女にぜひとも観ていただきたい。(もちろん大人もねw)