fuushin さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
総集編とダブルで、深く、濃く、楽しめます。
総集編の視聴後に。
これはステキな作品です。
魂に響きますね。そうですね、和魂に響いてきますね。
なので、穏やかさ、協調と協同、団結と互譲、平和と調和、安定と安心、そういった印象を強く得ることができると思います。
この作品を観て涙する理由は、四魂のうちのひとつ、和魂が激しく反応し震えるからですね。和魂が発達していらっしゃる方は、この作品を観るたびに同じ感覚で涙されると思います。
超平和バスターズはみんななかよし。
{netabare}
あのころは、明日がちゃんと来て、それは当たり前で、毎日がただ嬉しくて、ただ楽しくて。
みんなに会えば、心が湧き立ってウキウキしたし、みんなに会うたび、気持ちが色めいてワクワクしたし、遊び終わってもおうちに帰るまでは、みんながなかよしで、ただそれが嬉しくて、楽しくて。
それは思い出でも何でもなくて、ずっと続くもので・・・。
だから、超平和バスターズはひとつだったんだ。
だから、めんまにとって、じんたんのお母さんとの小さな約束が、バスターズにとって、大事な約束だったと思えたんだ。
じんたんが、めんまと、あなると、ゆきあつと、つること、ぽっぽの6人のバスターズのなかで、もう我慢しなくても済むように。
さみしい想いや、かなしい想いにとらわれたり、しばられたりしないように。
だって、じんたんはバスターズの、かっけえリーダーなんだからね。
みんなにとっても、超平和バスターズはひとつだったんだよ。
でも・・・ほんの小さなこころみが、同じ日にたまたま起きたんだ。ほんとうに偶然だったんだ。
それがめんまとの気まずいお別れになってしまったんだ。
でもそのお別れは、思いもよらない出来事と結びついてしまったんだ。
そしてめんまとの、永遠のお別れになってしまったんだ。
彼女が、バスターズの魂を持って行ってしまった。
お母さんとお父さんと弟の時間を止めてしまった。
あれから、バスターズは変わってしまったね。
めんまの家族も、深い悲しみと苦しみを抱えてしまったね。
みんな、魂が欠けたまま、見ないふりして、触らないようにして、無理やり押し込めようとしてしていたんだ。
でもそれは、埋めようのない欠片のあと。あまりにも大きすぎる傷あとだった。
即効薬もなく、手当のしようもなく、もがいて苦しんで。
バラバラになって、誰にも相談できなくて。
欠けた魂の傷あとを埋めたくて、何かを探し回って。追いかけて。逃げ出して。引き籠って。
めんまが逝ってしまったことがどうしようもなく後ろめたくて、謝りたくて、それはほんとうの気持ちだったのに、めんまはもういなくて。
最初は、確かに信じられなかったんだけど、でもやっぱり会いたくて。どうしてもひとめ会ってみたくて。だって、
みんなは、めんまのこと、大好きだから・・・。
だから、めんまの願いを叶えるために、もう一度あの頃のバスターズに戻って自分の気持ちに向き合っていく。
辛くて、苦しくても、悲しくても、淋しくても、めんまを見つけて、さよならをして、そうしてちゃんとめんまを見送ってあげたいんだ。
キラキラした朝日の中で、めんまは姿を現して、見つかっちゃって。
あの頃と同じように、みんなで遊んで、鬼ごっこで終わらせたんだ。
今も、あの花の名前はわからなくても、その時に感じた匂いはちゃんと思い出せる。
その匂いはいつまでも変わらないし、たったひとつなんだけど・・・。
エンディングに見せる「あの花びら」のふぶくさまは、みんなの嬉しさ、楽しさ、冒険、夢、希望が詰まっていた。
その彩は、ディープピンク、コーラル、ホットピンク、マジェンタ、オレンジレッド、ピーチパフ、トマト、サロモン・・・。
ステキなかわいらしい「あの花」だった。
バスターズは、やっぱりちゃんとバスターズになれた。みんな集まれば、たのしくて、うれしくて、泣くこともあたり前で。
彼らの胸を刺していた痛みはしばらく取れないだろうけれど、きっとじわじわと温かみを帯びてくるんだろうね。
秩父の朝日に包まれるかのように。いつもそうだったように。
{/netabare}
長文をお読みいただき、ありがとうございました。
この作品が、みなに愛されますように。