ぺー さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
オォォール、ハイィィル、ブルリタァァーニアァ!!
2018.04.14記
{netabare}ブリタニア皇帝のTHEラスボス感がたまりません。{/netabare}
ブリタニア(位置的にアメリカ?)による支配、日本は占領され「イレブン」と呼ばれる隷属の民となってましたとさ。
1期25話+2期(R2)25話でワンセットという感じでしょうか?
後輩のススメもあって、まとまった時間が取れた時に一気に観ました。
毛嫌いしてるわけではないものの、ガンダムすら満足に観たことのない私にとって、ロボットものはあえて食指が動かなかったジャンルでした。
結論、「観てよかった」です。
パッと見たところロボットによるバトルもの部類には入るものの、実戦闘ではやや心理戦に重きを置き、戦前戦後での外交駆け引きの描写がたくさん。
あにこれの評価が高いのも納得の良作です。
・「ギアス」の位置づけ、設定をよく活かしてる
・主人公含め周りを固めるキャラが魅力的
・しかも結構な数出てくるのにそれぞれに味がある。意味もある。
・急展開/どんでん返しの連続で、次が観たくなるストーリー構成
・物語の流れがけっこう壮大で、エピソードのテンポも良く伏線も適度に蒔かれ、後半に回収されていく作り
と隙がないです。
少しだけネタバレにも踏み込んでも
{netabare}・敵味方入れ代わり立ち代わり、何が善で何が悪か観る者に問いかけてる
・外交/政治のエッセンス入りって男の子は好きだろうな
・スザクの甘ったれた正義感もルルとの対比で物語の華となっている
・愛だよね愛。ただナナリーを救いたいという想いは一貫している{/netabare}
心ふるわせる要素も満載です。
でもなんだかな、評価の高い頭脳戦(リアル戦闘も外交交渉も)の描写がハマる時としっくりこない時が交互にくる感じで、全編通して作品に没頭できたかというと違う。「神作だ」「これまで観てきたアニメの中でも」「オレ的No.○」の領域一歩手前という感じでしたね。
ただの期待の裏返しだったのかもしれません。
実に惜しい。
実際のところ、ルルの描いたシナリオ通りに進むケース、想定外のことが起こりシナリオに狂いが生じるケース、両方とも作品の魅力で、前者は観る者に痛快さを、後者はそこを柔軟に切り抜けた時の快感であったり悲劇的な展開へのなんともいえぬ感情を掘り起こすもんです。
そんな中でときおりあるそこは行き当たりばったりじゃないのかい?いやラッキー過ぎるやろ?という箇所がけっこう。
気にしなきゃ気にしないでいいし、自分的にもまぁ許容範囲だったかと思います。
{netabare}うっかりでユフィにギアス使ってその後いろいろあってルル血の涙(イメージ)とか、あの回はなんというか感情移入しにくかったな。同情できない。{/netabare}
また、ゼロの外交戦やところどころの武力衝突も、史実を元ネタにしてるのではないかと思しき描写がいくつかありました。見せ方次第である程度リアリティの担保にもなるので好材料だと思います。
{netabare}例として、ゼロのぶちまけた構想は「大東亜共栄圏」の思想に近い。成田山攻略戦も「硫黄島での米軍の擂鉢山攻略」とかぶる感じ。実戦闘は事例が山ほどあるので一概にこれだと言い切れないものの、諸条件の中で取り得る選択肢はおのずと決まっていて、それが少なくとも荒唐無稽ではない描かれ方をしてます。{/netabare}
とはいえ、こういった各エピソードに波があるところさえも魅力でしょう。
すこし「んっ?」と思っても、ブリタニア皇帝が登場すれば全て吹っ飛んじゃう程度のものです。
若本規夫氏ほんとすごい
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2018.08.22追記
《配点を修正》