tachikoma さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
良いエピソードは多いのに…
よくもまあ最終回前にあんなにも盛り下げられるもんだなと感じ、観ていて萎えた。
良いエピソードが多くあった作品だっただけに最後の最後の盛り下がりのせいでトータルで残念な印象になってしまった。
作画も背景も全話通して素晴らしく、毎週劇場版並との感想が上がっていたのも納得のクオリティだった。
1話完結のエピソードも何度も見返したもの(公開恋文、50通の手紙や流星、傘のエピソードなど)がいくつもあり、
胸が締め付けられる、涙なしには観られない、だけどほっこりと何か温かいものが残る感じがとても好きだった。
もちろんそういった感動エピソードばかりではなく、少佐の死を受け入れるエピソードなど重い話もあり、
ヴァイオレットが向き合うべきこととして、その辺りもしっかりと描かれていたと思う。
ただやはり戦争を必要以上に取り上げ過ぎたのが失敗だったと思う。
少佐の死の受け入れくらいで止めておけばいいのに、北の不穏分子とか和平反対派とか絡めてくるから…
他の作品の感想でも書いたが、色んな設定も盛ってくるのはいいが、
細かく描写できない、しないなら、せめて気にならない程度にはしてほしい。
戦争や和平反対派がカタルシスを得るためのだけの調味料的要素のうっすい設定なので、
味が出るどころか雑味を増して邪魔なだけだった。
敵地のど真ん中で着陸はできないと行きはダイブしたのに、帰りは搭乗シーンなしであっさり飛行機に乗ってたりとか。
和平破壊を目論んで列車を襲ってくることが分かってながら、あっさり侵入されるとか、
鉄橋なんて元から軍隊派遣して守ってろよとか、もう殺さないとかいいながら拳銃の弾も弾く鋼鉄の手で顔面その他を殴りつけるのはありなのかとか、
ポストマンに蹴られて外れる爆弾とか、片や義手両腕がぶっ壊れるまで外せない爆弾とか。
そもそも列車の上で戦う問題とか。(同じようなシチュエーションでもプリンセス・プリンシパルのちせ回の列車での戦闘シーンは秀逸!)
なんというか、いるのそれ?って感じとテキトーだなーといった感じでした。
あと飛行機で空から手紙が飛ばされる航空祭もちょっと違和感があった。
届かなくていい手紙なんてないってあんなに1通の手紙を大事に扱ってたのに、撒くんかいっ!と。
実際にどこかでそういう風習あったりしたのかな…
勝手に期待のハードルを上げたこちらが悪いのだけれど、
上げたハードルの下を華麗にくぐり抜けられて、なんだかなぁとなってしまった。
素直に良い作品だったと言えない、複雑な気持ちにさせられる作品でした。